隠れメタボが進行、40歳からの血液リスク管理術日経ヘルス・フォーメン

糖尿病は、血糖値を下げる働きをするインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性と、インスリンそのものの分泌が悪くなる分泌障害が重なることによって起こる。分泌障害が起こりにくいタイプ(下段)では、高度に肥満して(立派なメタボ)インスリン抵抗性がかなり大きくならないかぎり血糖値は正常範囲を超えないが、もともと分泌障害があるやせメタボタイプ(上段)は、インスリン抵抗性が少し大きくなっただけで境界型の糖尿病を発症する。じつは日本人に最も多いのがその中間である隠れメタボだ

どうしたらメタボの進行を食い止められるのか。基本が肥満解消にあることは知られているが、これが逆に「自分は太っていないから大丈夫」という誤解を生みがちだ。東京慈恵会医科大学晴海トリトンクリニックの阪本要一所長は「欧米人と比べて日本人には糖尿病を発症しやすい体質を持っている人が多いため、見た目はスマートでもメタボが進行していることがある」と話す。

糖尿病は血糖値の上昇がもたらす病気だが、血糖値上昇の原因は前述のインスリン抵抗性以外に、インスリンを分泌するすい臓機能の低下(分泌障害)も関与している(右図)。日本人では、もともとすい臓の機能が弱い人が多いので、内臓脂肪が少し多くなっただけでも血糖値が高くなる「やせメタボ」タイプになることが多いのだ。

つまり、自分の体の中でどれだけメタボが進行しているかは、体形だけでは判断できないのである。自分がメタボでないかどうか確実にチェックするために重要なのは、じつは定期健康診断などで調べられる血液検査や血圧測定の結果に注目することが大切なのだ。

この人たちに聞きました

 
阪本要一さん
東京慈恵会医科大学晴海トリトンクリニック所長。メタボリックシンドローム対策の第一人者。「内臓脂肪は皮下脂肪と比較してすぐ使えるエネルギー貯蔵庫。太古から狩りなど活動量の多い男性の体は、内臓脂肪をためやすい仕組みを持っているので、メタボリックシンドロームに対する注意が必要です」
 
平野勉さん
昭和大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科教授。脂質代謝研究の第一人者。「メタボリックシンドローム代謝は、体のエネルギー代謝全体を考えることが大切です。血液中のブドウ糖と同様にエネルギーを全身に運ぶ役割を果たしている中性
脂肪のコントロールにもっと注目していただきたい」

(ライター 荒川直樹)

[日経ヘルス・フォーメン2012年春号の記事を基に再構成]

日経ヘルスフォーメン2012年春号『男のメタボ撃退!』では、「食生活」「運動習慣」のチェックや「必ずやせる2週間食事プログラム」「心と痛みに効く、男のストレッチ」、「ビジネスマンのための血液リスク管理術」などを紹介する。
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