みんなが心配な認知症ってどんな病気?

記憶力や判断力などの認知機能が徐々に低下していくのが、認知症。原因となる病気はたくさんあり、最も多いのがアルツハイマー病だ。認知症人口は増加の一途で、現在、予備軍も含めると65歳以上の4人に1人が該当するという報告も。

図3 認知症は時間をかけて進行する

最近、注目されているのは、認知症の“予備軍”に当たる「軽度認知障害(MCI)」。「新しいことが覚えられないなど、記憶力だけが低下した状態。判断力や数学的能力など通常の知能には問題ないが、4~5年で約半数が認知症に進む」と朝田教授。MCIは認知症に進むかどうかの分かれ道。この段階で早く見つけて手を打つことが重要だ。

認知症の前段階、MCIチェック
□ 新しいことが覚えられない
□ 同じことを言ったり、聞いたりする
□ 長年の趣味を楽しめなくなった
□ 料理のレパートリーが減ってきた
□ 細かいお金の計算が苦手になり、お札で支払うことが増えた
□ 前回までの話を覚えていないので、連続ドラマを見なくなった
 これらはあくまで目安。生活に支障が出るほどではないが、記憶力の低下から生活にいくらか変化が生じている状態。

この人たちに聞きました

朝田隆さん
 筑波大学附属病院精神神経科教授。認知症が専門。「もの忘れ外来」も担当。「認知症の大半は高齢になってから発症するが、実は25年ほど前から始まっている。40歳からはアルツハイマー病を予防する生活を心がけて」
牧野真理子さん
 医師。牧野クリニック心療内科(東京都中野区)。専門は摂食障害などの女性の心身症。「受診して、愚痴を言えただけで心がすっきりし、もの忘れも気にならなくなったという患者さんもいた。ストレスを多く抱えている人、うつでつらい人は早めに専門家に相談を」
篠原菊紀さん
 諏訪東京理科大学共通教育センター(長野県茅野市)教授。専門は脳科学。「脳にアミロイドβなどが蓄積していても認知症の症状が出ない人も。若いうちから頭をしっかり使ってきたことで認知的予備能力が鍛えられ、失われた脳の機能を補っていると考えられる。要は使うことです」

(ライター 佐田節子、 構成 日経ヘルス 黒住紗織)

[日経ヘルス2014年4月号の記事を基に再構成]