【映画編】映画市場が絶好調の米国と中国、しかし日本は伸び悩み

2013年の映画市場は米国も中国も絶好調だ。伸び悩む日本とは対照的に、海外では盛り上がっている。

図3 米国市場は冬映画のヒット次第ではさらに伸びることも。米国市場はBoxofficemojo.com、中国市場の2010年~2012年実績はハリウッドレポーター調べ、2013年見込みはロイター調べ

米国の11月10日時点の年間興行収入は91億3500万ドル。過去最高の興行収入を記録した2012年の同時期の実績を、若干だが上回っている。このままのペースで興収を伸ばせば新記録更新となる(図3)。一方、中国は2012年に日本を抜いて世界第2位の市場となった。2013年は33億ドルに達すると予測されている(図3)。

ハリウッド映画は海外で稼いでいる。例えば、米国で年間興収ランキング1位の「アイアンマン3」。アメコミヒーロー映画ということで、稼いでいるのは米国中心で、海外ではあまり稼いでいないと思われがちだが、実は海外の興収比率は66%と、米国を大きく上回る。海外市場の1位は中国で、1億2100万ドルも稼ぎ、2位韓国とは2倍近い開きがある。「アイアンマン3」は中国市場を狙い、中国の人気俳優ファン・ビンビンらが出演する中国公開版を作成している。香港ディズニーランドには2016年に「アイアンマン」のアトラクションがオープンする予定で、これは米国にもない世界初。今後もマーベル・コミックスのヒーロー映画が作り続けられるので、中国でさらに人気を集めそう。

「ワイルド・スピード EURO MISSION」「パシフィック・リム」も海外で稼ぎ、海外比率は実に70%以上を占める。特に「パシフィック・リム」は中国市場で米国以上に稼いでいる。舞台のひとつを香港として、中国製のロボット「クリムゾン・タイフーン」を登場させた効果か、興収1億1200万ドルを上げている。中国の大ヒットがきっかけで、続編企画が持ち上がっている。

チャイナマネーが存在感を発揮する

活気づく映画市場が生み出すチャイナマネーがハリウッドを引き付ける動きもある。2012年、米シネコンチェーン2位のAMCエンタテインメントを買収した中国の複合企業ダリアン・ワンダ・グループは、青島に「中国版ハリウッド」を建設すると発表。82億ドルを投入して、20の映画・テレビスタジオや音響施設、アニメ制作所などを設置し、映画・テレビ作りの一大拠点を目指す。2013年9月下旬に開いた起工式には、レオナルド・ディカプリオやニコール・キッドマンらハリウッドスターや、トニー・レオンやチャン・ツィイーら中国人スターが数多く出席し、米中映画界の期待度の高さが表れた。

日本が海外市場1位だった作品は「モンスターズ・ユニバーシティ」。日本のディズニーランドには「モンスターズ・インク」のアトラクションがあることから、人気だったようだ。

今後も海外で稼げる作品を持つことが、ハリウッドで重要視されていくだろう。

(ライター 内藤悦子、相良智弘、つのはず誠、日経エンタテインメント!編集部)

[日経エンタテインメント! 2014年1月号の記事を基に再構成]