2013/12/17

報道カメラマンのiPhone撮影塾

年賀状作成アプリ、SNSに即投稿も

年賀状作成のアプリを検索するとその数の多さに驚くかもしれない。DPEショップからフィルムメーカー、パソコンソフトウエアメーカー、日本郵便など様々だ。

そんな中、便利なのは「筆まめ年賀2014」のアプリ。デザインした年賀状を印刷発注する以外にも、画像素材として利用できるからだ。大みそかや元日に撮っても、SNSにすぐに投稿できる。パソコン用年賀状ソフトとして知られる同ソフトは、デザインのひな型も豊富な上、写真を全面に配したデザインも作成できるなど自由度も高い。

「筆まめ年賀2014」の編集画面。手書きのペンや既成の賀詞で年賀状をデザインできる。有料でフォントやイラストなどを増やすことも

年賀状はカメラマンにとって、別の意味で腕を問われる場だ。当然のことながらカメラマンの友人には同業も多いからだ。だからこそ、バリバリの報道現場を駆け回るカメラマンの、普段とは少し違ったユーモアのあるハートフルな写真を目にするのは楽しいものだ。とはいえ、家族を撮影し、すてきな表情を引き出すという点では、カメラマンと一般の人たちとの力量にほとんど差はないのかもしれない。

SNSの発達であいさつをネットで済ませるケースも増えている。撮った写真を多くの人の目に触れるよう拡散させる意味では都合がいいかもしれないが、少しさびしい気もする。元旦に郵便受けを開け、こたつに戻って届いた一人ひとりの年賀状をめくる温かな時間を想像すると、おっくうに思える年賀状の準備でも筆が進むのではないだろうか。

(写真部 小林健・寺沢将幸)

米アップルのスマホ「iPhone5」のカメラ機能は8メガピクセル。この画素数は2004年のアテネ五輪で世界中のプロカメラマンが使用した当時の最新型一眼レフとほぼ同じ。ならば報道カメラマンの経験と技術でiPhoneは取材現場でも使えるのでは――。そんな発想で始めた企画「iPhone×Press Photo」。日経写真部のカメラマン2人が一眼レフの代わりにiPhoneを手に現場を巡り、関連機材やアプリケーションを使いながら新たな写真表現を探る。日経写真部は公式ツイッター@nikkeiphotoで【iPhonegraph】としてiPhone写真を掲載。「iPhone×Press Photo」では野球編、ラグビー編などiPhoneで撮影した写真特集を連載中。