今年も残すところ2週間。年の瀬が迫るにつれて焦る年賀状づくり。来年の干支(えと)の午(うま)をモチーフにしたデザインを考える人も多いのでは。今回は、馬の写真を上手に撮るコツをお伝えしたい。5月に掲載した動物撮影編のおさらいも兼ねて、自慢したくなる年賀状写真を撮ってみよう。
■自然体の馬を間近で
せっかく馬を撮るなら、馬に乗ったり、近づいたりできる方がいい。単純に馬と並ぶ記念写真以外も期待できる観光用の牧場に、12月初旬に訪れた。
千葉県富津市にある「マザー牧場」では、現在16頭の馬がのびのびと体を動かしている。自然体の馬と接しながら、飼育スタッフに解説してもらえるのも魅力だ。乗馬を楽しめるだけでなく、カウボーイにふんそうして写真を撮れるイベントも12月29日まで毎日開かれており、プロカメラマンが撮影してくれる。カメラやスマートフォンも持ち込みOKだ。
取材に訪れた日は晴れ。うすい雲も散らばっていて、最高の撮影日和。年賀状写真を撮りに来た家族連れやフォトグラファーもちらほら。冬らしい柔らかい日の光を浴びる馬の撮影に挑戦した。
まずは注意事項を把握しておこう。馬の脚が当たらぬよう、囲う柵から乗り出してはいけない。「背後から急に追いかけると馬が興奮してしまい、けがをする可能性があります。走らずに馬から見える方向から寄ってください」と同牧場の飼育スタッフ。しっかり守った上で、思う存分撮影しよう。
いざ撮るとなると、ついつい馬のかわいさや、りりしさに気をとられて、自分が立ったままの姿勢で撮影をしてしまいがち。撮った写真を後で見直すと、背景がごちゃごちゃして肝心の馬が見にくくなってしまっていたという経験はないだろうか。
■「ローアングル」でスペース広めに
シンプルな構図の写真にすれば、年賀状ならではの余白に賀詞を入れるスペースができる。また「写真は引き算」としばしば言われるように、画面内に写し込む要素を多くしすぎないように、主題と必要な要素を取捨選択することがコツだ。
そこで、iPhoneをローアングルで構えて、馬の背景が空だけになるように撮ってみよう。牧場は周りが開けているので、ローアングルにすればどの方位でも空が広がっている。すっきりした写真に仕上がるはずだ。
年賀状のデザイン素材として使用するなら、文字を入れるスペースをあけたり、写真自体をまるく切り抜いたりすることを想定し、被写体の周囲にスペースを広くとって撮影しておくといい。