重症アレルギーの原因9割はダニ、掃除だけでは不十分

中山院長らの調査でダニの多い場所はカーペット、畳、畳床(畳の中)、布張りのソファ(図3)。布団ばかりではないのだ。

図3 厚生省(当時)の研究班で調査したアトピー性皮膚炎患者宅の場所別ダニ相平均値。個人差はあるが一般的には50匹/m2でアレルギー症状が出る。30匹/m2以上なら掃除、除去、交換などダニ対策が必要(データ:中山院長)

ダニ相検査会社ペストマネジメントラボの高岡正敏社長は、「ダニ相は各家庭で異なり、ベッドマット、チャイルドシート、タンスから大量のチリダニが検出されたケースも。ダニを減らすには、換気と掃除をこまめに行い、着ない衣類は捨てる、長期収納する布団や衣類は乾燥剤と一緒に密封、年末と梅雨明け後に大掃除をするのが基本。だが、やみくもなダニ対策では大変なだけで、症状は改善しないということになりかねない。各家庭の状況に合った対策が重要」と話す。

ちなみに換気が大切なのはダニの好む湿気を減らすためだ。

図4 (右)ダニ対策は、予算や住宅環境によってケースバイケース。ただし、中途半端に対策をしても回復しないとの報告もあり、徹底的にやった方が効果は高い。(左)カサカサして赤みがかった肌色だった重症アトピーの男性はダニ相検査後、3カ所の絨毯を廃棄し、防ダニ布団を使用。2カ月後、ほぼ正常の皮膚に(写真提供/中山院長)

ダニ相検査には保険が使えない。ペストマネジメントラボの場合、東京23区内で3万6750円(23区外は交通費加算)だ。「自分の家に合った対処法が分かったほうが環境改善費用は抑えられ、症状改善度も高まることが多い。ダニ相検査は、ゴミ採取から対策指導まで責任を持って行う機関で受けてほしい」と同社の高岡社長。

チリダニの増殖はそれを餌にするツメダニによる虫刺症につながる。アレルギー患者がいなくても掃除や換気、年末の大掃除などのダニ対策は必須だ。

この人たちに聞きました

中山秀夫さん
中山皮膚科クリニック院長。皮膚科・アレルギー科専門医。東京都済生会中央病院皮膚科部長を経て95年より現職。元日本皮膚アレルギー学会理事。
高岡正敏さん
ペストマネジメントラボ社長。医学博士。埼玉県衛生研究所企画担当室室長などを経て08年より現職。ダニの研究者として中山院長らと共同研究を実施。

(ライター 福島安紀)

[日経ヘルス2014年1月号の記事を基に再構成]

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