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待機児童はほぼゼロ、スウェーデンの保育園の秘密 スウェーデンから見る日本 高見幸子

2013/11/22

 OECDの発表によると、女性の就業率が80%を超えるスウェーデン。女性議員の比率も45.0%と、日本の衆議院における女性議員の比率11.3%を大きく上回っています。女性が広く活躍するスウェーデンで40年近く暮らす筆者。現地での経験を生かし、日本の生活がさらに豊かになるためのヒントを、日本の女性からの質問に答える形で、一緒に考えます。
質問
 夫の会社の業績悪化で収入が減ったので、家計を支える為に働きたいと思っています。近所に事務の仕事を見つけ、来月から来て下さいと言われました。子どもはまだ1歳と3歳なので、安心して預けられる保育園を探しています。ところがなかなか見つかりません。このままだと仕事を見つけたのに働くことができません。待機児童の問題が進まないのはどうしてなんでしょうか? どうしたら改善すると思いますか?(33歳、2児の母)

 少し前ですが、仕事で日本に1カ月間滞在しました。保育園の園長先生や先生たちにお会いし、日本の子育ての現状について話を聞きました。残念だったのは、政治家や保育園、幼稚園の経営者といった大人から、子育ての思想や将来ビジョンだけでなく、少子化・待機児童問題について根本的な原因分析をする姿勢なども感じられず、ただ、対症療法と既得権の温存を優先させていると思えたことでした。

 子どもにとっても、親にとっても、子育て支援をしてくれるのが保育園であろうと幼稚園であろうと、認定こども園であろうと関係ないと思います。望んでいるのは、子どもの心身の発達にとって優れた保育と教育、そして、親にとって働きやすい子育て支援の体制が提供されることでしょう。

■スウェーデンの育児支援の現状を知ろう

 少子化の根本的な原因は、子育てがしにくいことと私は考えます。保育園のような支援体制が、少子化問題解決のカギになるはずです。

 しかし、保育園が子どもの成長を育む場所でないと、親は良心の呵責を感じて働きにくくなるでしょう。親のニーズと子どものニーズの両方が満たされる必要があります。スウェーデンの現状(下囲み)を参考にして、日本のあるべき将来像を考えてみました。

~スウェーデンでは、保育園が入園希望者に席を用意するのが義務~
● 自治体は、親が保育園の入園を申し込んでから3~4カ月以内に席を提供することが法律で義務付けられている。私立も公立と同等の補助金が出て、保護者は同じ保育料金ですむ。
● 家庭で1歳未満の子どもは育てられるように、親に育児休暇中の経済的な支援体制が確立されている。スウェーデンでは給与の80%が支給されている。元の職場に復帰できる権利の保障がある。
● 幼児を持つ親は、6時間勤務にしても良いことが法律で保証されているため、子どもは、12時間も保育園にいる必要がない。
● 1人の先生が30人も40人も見なければならないという体制は、子どもにも先生にとっても大変な負担。子ども1人1人の成長を支える理想的な体制は、1クラス18人くらいで先生が3人。
● 50人くらいの小規模の保育園でも採算がとれるようにし、子どもに目が行き届くような保育と教育ができる。

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