快眠ホルモン「メラトニン」に注目アンチエイジング睡眠術(2)日経ヘルス プルミエ

睡眠に大きく関与するのがメラトニン。メラトニンは眠りを誘うだけでなく、酸化した体の修復や、糖や脂質代謝にも関わります。しっかりメラトニンを分泌させる生活習慣を目指しましょう。

眠っている間に体の酸化を修復

快眠を手に入れるには、自律神経の働きを整えるばかりでなく、メラトニンを十分に分泌させることも大切です。

メラトニンとは、睡眠を促すホルモンのこと。脳にある小指の先ほどの組織である松果体から分泌します。「メラトニンは、朝の光を浴びると約14時間後の夜から増え始め、夜中にピークがあり、再び朝の光を浴びると急激に低下します。このように、メラトニンの血中濃度は、光によって制御されています」と杉田さん。

メラトニンは、体温を下げる作用があるため、体の中でメラトニンが増えると体温が下がり、体を眠りへと導きます。一方、減少すると体温が上がり、体は活動モードになるのでスッキリと目覚めることができるのです。

メラトニンの働きは睡眠の制御だけではありません。プルミエ世代にうれしい、もう一つの大きな働きが抗酸化作用です。東京医科歯科大学教授の服部淳彦さんは、次のように話します。「メラトニンにより、眠っている間に体の中の酸化による損傷を抑えます。しかも、メラトニンが抗酸化成分としてすぐれているのは、それ自体が直接、抗酸化成分として働くだけでなく、体の中にある活性酸素を消去する酵素の働きを高める作用も持っていて、抗酸化効果を発揮する点です」。メラトニンは、直接、間接のダブルで働き、体を老化へと進める酸化を抑えるアンチエイジングホルモンというわけです。

さらに、メラトニンは糖や脂質の代謝にも関わっていることが分かっています。「メラトニンは、肝細胞で脂質代謝を促す酵素の働きを上げ、血中のコレステロールを下げます」と日本大学医学部講師の西田滋さん。だから、脂質代謝が落ちやすい40代50代女性では、その面でもメラトニンが重要な役割を果たすのです。

また、「メラトニンには、インスリンの分泌を抑える作用もあります。メラトニンの分泌が不規則になるシフトワーカー(交代勤務で働く人)では、糖尿病や肥満のリスクが高いという報告がありますが、その一因はメラトニンにあるのではないかと考えられています」(西田さん)。

脂肪や糖の代謝がスムーズに行える体づくりのためにも、メラトニンがたっぷり出る「良い眠り」をとりたいものです。

さらに、「魚のうろこを使った実験では、メラトニンが骨を壊す破骨細胞の働きを抑制します。骨粗しょう症の予防にもメラトニンが役立つのではないかと考えています」と服部さん。

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