新しいアイデア、まずは具体化を 石倉洋子氏
慶応義塾大学大学院 メディアデザイン研究科教授
慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の石倉洋子氏に、女性の起業を取り巻く環境や特徴を聞いた。
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インターネットの普及などで世の中が変わり、競争が激しくなっている。ただ、起業するチャンスは逆に増えている。ネットの世界はつながっているが、実世界ではまだまだ断絶があるからだ。断絶している所に橋を架け、ミスマッチをマッチさせる。その部分を女性の視点で「つなぐ」ことができれば、新しいアイデアの事業となる可能性がある。
趣味や経験など身近なことにヒントを得て起業する女性は多い。既存の社会の仕組みは、主に男性がつくってきた。女性の視点でものを考えることはそれ自体が新しい切り口でもある。そこにポテンシャルがある。
ただ、しっかりしたプランを作ってから始めるとか、まだ起業する準備ができていないなどとためらってしまう人も多い。アイデアが浮かんだらまずやってみることが必要だ。この世の中には、たった一つの正しい答えなどはない。アイデアを具体化させるのは、やった者勝ち。やりながら考え、必要に応じて変えていくことが大切だ。
懸念しているのは、日本で起こる新規事業はスケールが小さく、世の中を変えるほどのものではない場合が多いことだ。自分の利益だけでなく、社会のため、世の中のためになるためにはどうしたらいいのか。世界を変えたいという野望を持つなど、大きなスケールで考えることも将来的な成長に必要なことだ。
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