シンプルだからクセになる 毎日食べたいドーナツ

●ちなみに――ドーナツの穴の謎

ドーナツに穴が開いているのはなぜか

ドーナツといえば、丸い穴が開いた独特の形を思い浮かべる。同じ作り方の揚げパンには穴がないのに、なぜ、ドーナツは穴が開いているのだろうか。

ドーナツの起源は17世紀のオランダで、クルミを生地の真ん中にのせて揚げたオリーボルが原型といわれるが、オリーボルに穴はない。穴が開いたドーナツはアメリカで初めて作られたと考えられている。由来は諸説あるが、19世紀の船乗り、ハンソン・グレゴリーが考案したとの説が有名だ。彼の母親が作るパンは、中心部がいつも生焼けだったので、穴を開けて食べたのが始まりというものだ。他にもクルミが入手できず、仕方なく真ん中を開けて食べたという説や、インディアンの吹き矢が生地に当たって開いたという話があるが、真相は不明だ。

ただ、ドーナツを揚げる際に穴があった方が生地に火が通りやすいのは確か。そのために穴が開けられたと考えればわかりやすい。ちなみに、同じように穴が開いている菓子、バウムクーヘンは、もともと生地を棒に巻き付けて火に当てて焼き上げたため、真ん中に穴が開いたといわれている。

●記者のひとこと――幼いわが子が大絶賛

コラムを担当するようになってから、家族への土産に気を使うようになった。仕事とはいえ、自分だけ絶品スイーツを食べるのは妻や子どもに申し訳なく、気に入った品を時折買って帰っている。4歳の息子が一番喜んだのは今回のドーナツ。満面の笑みであっという間に食べて、「まだある?」とねだってきた。彼の評価は文句なしの3つ星だった。

子どもはやっぱり手の込んだ高級スイーツより、シンプルにおいしいおやつが好みなのだろう。このままドーナツ好きに育ってもらえれば、僕の財布にもやさしいのだけれど……。

(田中裕介)

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●専門委員の横顔(五十音順)

下井美奈子さん

1973年生まれ。実家の母が菓子教室講師ということから、子どもの頃からスイーツの食べ歩きや菓子作りを行う。一般企業を退職した後、パリの料理学校「リッツ・エスコフィエ」で料理・製菓の資格取得。またパリの製菓料理学校「ル・コルドン・ブルー」「ルノートル」で学び、2年間のロサンゼルス在住中にも各国の製菓・料理を習得。情報サイト「オールアバウト」では立ち上げの2001年から、スイーツガイドを担当。多数のメディアで洋菓子情報を紹介するほか、商品開発、レシピ提供を行うスイーツコーディネーターも務める。共著に「TOKYO美食パラダイス」など。

下園昌江さん

1974年生まれ。大学卒業後、専門学校やパティスリーで製菓の技術や理論を学んでおり、製法にも詳しい。菓子の食べ歩き歴は15年。近年は特にフランス菓子に力を入れ、フランスを巡るツアーや焼き菓子を中心とした菓子教室も開催。監修本に「とびきりスイーツ見つけた!」。ウェブサイト「Sweet Cafe(スイートカフェ)」主宰。

平岩理緒さん

1975年生まれ。小学生のとき、訪れたデパートでスイーツの魅力に目覚める。大学卒業後、食品会社のマーケティングに携わる。2002年、テレビ東京の番組「TVチャンピオン」デパ地下選手権での優勝を機に、食の情報発信を本格化。退社後はフリーのフードコーディネーターとして活躍中。月に食べる菓子は100種類以上。和菓子店での勤務経験もあり、和、洋菓子全般に詳しい。著書に「アフター6のスイーツマニア」(マーブルトロン)。コミュニティーサイト「幸せのケーキ共和国」主宰。