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職場の知恵

社内報、若手が主役に 現場の熱気つなげたい 制作通じて教育にも

2013/11/18

社内報が変わりつつある。堅苦しいあいさつや社内表彰、社員の子どもの写真を載せる定番を脱し、社員が何を考え、どんな思いで仕事をしているか、奮闘ぶりを伝えている。社員教育につなげる異色の取り組みも。若手主導で動き始めた「熱い社内報」の現場を訪ねた。
クロスカンパニーは外部制作会社を入れて動画社内報を毎週配信する

6日午後、衣料品製造販売大手のクロスカンパニー(岡山市)東京本部では、テレビカメラを構えたクルーが井上朋美さん(27)に密着していた。担当はVMDと呼ばれる店舗の陳列デザインや演出。店の印象を左右する重要な任務だが、彼女の仕事内容は各店舗のスタッフによく知られているわけではない。

■プロと組み動画

数回にわたるロケ映像は編集後、今月下旬に動画社内報「クロカンTV」で“放映”する。毎週木曜日の昼12時に約10分の番組を公開。社員は業務用パソコンや個人のスマートフォンを使って好きな時に視聴できる。外部の制作会社を起用し、テロップやナレーションも入る本格派だ。

「店舗や社員ごとにドラマがある。面識はなくても、同じ年齢や立場の人がこんな思いで頑張ってるんだ、という共感を広げたい」。昨年11月に始めたクロカンTVを企画した広報部の三木麻衣子統括マネージャー(30)は狙いを語る。同社はここ数年で急成長して全国600店、社員は2600人を超えた。「大半が20代でスマホ世代。現場のリアルを伝えるため」映像を選択した。

「クロカンTV」はテロップやナレーション入りで本格的なつくり

入社時から子どもがいて葛藤を抱えながら働くママ社員、社長に叱咤(しった)されて新ブランドを立ち上げたチーム。登場する多くは若手だ。同期に昇格で先を越されても努力して社内接客コンテストで優勝した社員の回に、今回社内報の取材を受けた井上さんも「泣いてしまった。普段は意識しないが、多くの人の熱意で会社が成り立っていると気付いた」と話す。

役員の店舗視察時に顔が分からないという声から生まれた「役員似顔絵講座」などのユニーク企画や、岡山で開いた地域貢献イベントの模様の速報が受けて“視聴率”は軒並み50%超え。最近は社員からの売り込みも増えている。

社内報は経費削減で削減・廃止の流れがある一方で「リーマン・ショックや東日本大震災を経て、社員の横のつながりを生む役割を再評価する企業との二極化が進んでいる」と、社内報制作のコンサルティングを手掛けるウィズワークス(東京都新宿区)の林利和社長は分析する。最近は社員の趣味紹介などが減り、職場の一体感づくりを意識した企画が目立つという。

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