無線LANの不満、3つの技で解決
速度が遅い、つながらない──。スマートフォン(スマホ)を自宅のWi-Fi(無線LAN)につないでいて、こんな不満を感じたことがある人は多いはず。実はその原因は、無線LANルーターの性能不足や設置方法に問題があるケースが多い。
無線LANルーターを「最速」規格へ
通信速度は、ルーターを替えると劇的に改善する可能性がある。無線LANにはさまざまな規格があり、最新の「IEEE802.11ac」(11ac)は理論上の最大通信速度が6.9Gbps。従来の主流だったIEEE802.11nに比べて10倍以上も速い。この最高速度に対応する無線LANルーターはまだ市販化されていないが、1Gbps超で通信できる高速モデルは発売されている。
2013年の夏以降に発売されたスマホの多くが、最新の11acに対応。ルーターも対応が進んでいるが、スマホほど買い替え頻度が高くないために旧規格のモデルを使っている人は少なくない。これだと、光回線を使って11ac対応のスマホを持っていたとしても、ルーターがボトルネックになってしまう。ルーターは現在、7000円以下の手頃な価格のモデルにまで11ac対応が広がりつつあり、買い替え時期が到来したといえる。
置き場所を変えて電波の「死角」をなくす
つながりにくいと感じるなら、ルーターの設置場所を見直したい。
扉付きの棚の中など、電波を遮るものがある場所は避けて設置するのが無難。電波は水に吸収されやすく、水槽や花瓶の近くも設置には不向きだ。また、電波はルーターから球状に発せられるため、家の隅に置くと壁側の電波が効率的に使えない。障害物がなく、ある程度の高さに設置するのが基本。部屋の中央付近に置けば、部屋全体をカバーしやすくなる。
ルーターから離れた別階の部屋や密閉性の高い浴室などは、電波が届かない場合も多い。そんなときは、中継機を活用すべきだ。コンセントに差して使う小型タイプなら、設置が簡単で邪魔にならない。ルーターの電波を受けて増幅するだけなので、スマホ側では新たな設定は不要だ。
他の家電製品からのノイズの影響を避ける
ノイズの影響を避けることで、つながりやすくなる場合もある。11nなどで使っている2.4GHz帯は、電子レンジやコードレス電話も使用しており、干渉で通信が不安定になりやすい。また、近隣の住居で同じ周波数帯のルーターを使っている場合も同様だ。
2.4GHz帯を使っているなら、電波の干渉が少ない5GHz帯に切り替えるのも手だ。また、2.4GHz帯や5GHz帯とひとくちに言っても、実はそれぞれ少しずつ周波数の異なるチャンネルで区切られ、ルーターはその一部を使っている。チャンネルはルーターの設定画面で簡単に変えられるので試してみるといいだろう。
バッファローの最新ルーターには、ノイズなどの影響で安定した通信ができない帯域を検出し、自動でチャンネルを切り替える機能が備わる。自分で設定する手間が省けるので便利だ。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2016年4月号の記事を再構成]
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