キヤノンのフォトストレージ、無線で写真取り込み
ブラックの重厚な外装を採用するのが、キヤノンの「Connect Station CS100」(実売価格は3万6000円前後)だ。記録メディアにコンパクトフラッシュを使用するデジタル一眼レフカメラをラインアップするキヤノンらしく、SDカードスロットに加えてコンパクトフラッシュスロットを搭載しているのが特徴。
本体上部にはNFC端子も搭載しており、キヤノンのNFC搭載デジカメならばタッチするだけでワイヤレスで転送できる。NFC搭載スマホは、タッチ時に起動するアプリ上で転送する写真を選択すれば転送が可能。内蔵ハードディスクは1TBとなる。
機能はオーソドックスにまとめられている。撮影したカメラの機種ごとに表示でき、操作も軽快でストレスなく扱えるのはキヤノンらしいが、人物や料理など被写体ごとに表示するといった機能はなく、平凡な印象を受ける。
クラウドサービスは、同社の「CANON iMAGE GATEWAY」やグーグルの「Google Drive」などと連携でき、CS100に保存した写真のなかから気に入ったものをアップロードできる。ただし、自動ですべての写真をアップロードする機能はなく、手間がかかる。スマートデバイス用の無料アプリ「Canon Online Photo Album」を使えば、CANON iMAGE GATEWAYに保存した写真がタブレットやスマホで表示できる。
ユニークなのが、自宅のCS100に保存した写真や動画を離れた場所に設置したCS100上で表示する機能だ。面倒な転送の作業をすることなく、実家に導入したCS100ですべての写真が見られるのは便利だ。とはいえ、CS100をもう1台導入するのはやや敷居が高い。
操作を一新した次世代モデルも開発中
キヤノンは、2015年11月に開催したプライベートショー「Canon EXPO 2015 Tokyo」において、フォトストレージのコンセプトモデルを参考出品していた。タブレットやスマホを閲覧と操作でフルに活用するよう工夫しており、CS100と比べると先進的な印象を強く感じた。
▼フォトストレージとしての基本性能は満足できるか…○
→NFCによる取り込みが可能なので、NFC搭載デジカメやAndroidスマホを使っている人はメモリーカードの抜き差しやケーブルの接続の必要がなく、手間がかからない。キビキビとした操作も好印象だが、表示のバリエーションは乏しい。
▼スマホやタブレットで操作や閲覧ができるか…△
→スマートデバイス用のアプリを使えば、CANON iMAGE GATEWAYに保存した写真や動画が見られる。家庭内ネットワークに限り、CS100に直接アクセスする機能も備える。
▼インターネット経由で自宅以外で見られるか、各種クラウドサービスとの連携はあるか…△
→CANON iMAGE GATEWAYやGoogle Driveとの連携機能を備えるが、転送したい写真や動画をCS100から指定する必要があるので、手間がかかる。
(日経トレンディネット 磯修)
[日経トレンディネット 2015年12月16日付の記事を再構成]
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