フォトストレージ老舗のバッファローは動作軽快
いち早くフォトストレージを製品化し、この分野の代名詞となっているのがバッファローの「おもいでばこ」だ。2世代目となる「PD-1000シリーズ」は、処理性能を高めて操作時のもたつきを解消したほか、外付けだった無線LAN機能も標準で内蔵。フォトストレージでは最大容量となる2TBモデル「PD-1000-L」も用意し、容量を重視したいユーザーも選べるようにした。実売価格は、1TBのPD-1000が3万円前後、2TBのPD-1000-Lが4万円前後。
柔らかなデザインになったPD-1000は、従来モデルよりも大幅な小型化を図って設置しやすくなった。ただ、光沢処理が施された白い外観は、BDレコーダーや次世代ゲーム機などのデジタル機器を収納したテレビラックではやや浮きそうだ。
機能面では、ランダムにピックアップした写真を表示して、埋もれがちな過去の思い出を振り返って楽しめる「おもいで散策」などの個性的な機能が楽しい。何より、全般的に動作が軽快で、付属の赤外線リモコンでもストレスなく使える点を評価したい。初代モデル「PD-100」の発売から4年が経ち、ユーザーの声をしっかり拾って製品作りに反映していると感じさせる。
閲覧は基本的に自宅内だけ
無料アプリ「おもいでばこ」を導入すれば、おもいでばこに保存した写真や動画をスマホやタブレットで表示できるほか、スマホやタブレットに保存した写真や動画をおもいでばこに保存できる。ただ、同じネットワーク内での利用にとどまり、インターネット経由では閲覧できない。スマートデバイス用アプリでは、赤外線リモコンを模した画面を表示させて操作する変わった機能も備えており、リモコンが見当たらなくなったり電池がなくなった場合でも操作できるのはユニークだ。
クラウドサービスは、無料サービス「フォト蔵」との連携機能を備えており、フォト蔵に保存した写真や動画が表示できる。ただし、おもいでばこに保存した写真をフォト蔵にアップロードする機能は搭載しておらず、自宅以外で閲覧するにはあらかじめパソコンやスマホからフォト蔵にアップロードしておく必要がある。
フォトストレージに求められる機能はほぼ網羅しているうえ、操作のレスポンスが良好なこともあり、全般的にそつのない作りといえる。ただ、自宅のテレビで楽しみたいファミリー層をターゲットにしたからか、外出先からのアクセス機能が省かれてしまったのは残念といえる。無線LANをはじめとするネットワーク機器で定評のあるバッファローの製品だけに、この点は頑張ってほしかったといえる。
▼フォトストレージとしての基本性能は満足できるか…○
→標準的な機能を網羅しつつ、「おもいで散策」などの便利な付加機能を備える。動作は全般に軽快で、リモコン使用時でもストレスなく操作できるのは評価できる。
▼スマホやタブレットで操作や閲覧ができるか…◎
→保存した写真や動画を表示して編集できるほか、スマートデバイスからの保存も可能。FacebookなどのSNSでのシェアも専用アプリ上からできるので、機能面も不満はない。
▼インターネット経由で自宅以外で見られるか、各種クラウドサービスとの連携はあるか…△
→おもいでばこに保存したものはインターネット経由では参照できない。フォト蔵にアップロードした写真をおもいでばこ経由で参照する機能はあるが、おもいでばこに保存したものをフォト蔵にアップロードする機能はないのが残念。
(日経トレンディネット 磯修)
[日経トレンディネット 2015年12月16日付の記事を再構成]
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