2016年のヒット予測 映画の注目はスター・ウォーズ
日経エンタテインメント!
名画の新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』いよいよ公開
興行収入100億円超えが確実視される『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』。タイトルにある「フォース」とは、正義の使者ジェダイ(1作目ではオビ=ワンとルーク)と、対立する邪悪なシス(1作目ではダース・ベイダー)が用いる特殊な力の源となっている生命エネルギーのこと。フォースが覚醒するのはジェダイかシスか、あるいは両方かは不明だが、新3部作の1作目にふさわしい幕開けを飾るはずだ。
12月18日の公開まであと2カ月あまりと迫り、イベントや宣伝展開は本格化している。9月4日から全世界一斉にグッズが発売され、日本ではロフトやトイザらスなどで特設コーナーがお目見え。10月17日からは人気キャラR2-D2や新キャラBB‐8が描かれたANAの特別塗装機が就航する予定だ。11月にはディズニーファン向けのイベント「D23 Expo Japan 2015」が開催され、新たな情報が出されると見られている。
1999~2005年にかけて公開された『エピソード1~3』は、親子2世代を集客して興収92億~156億円を記録した。今作は『ジェダイの帰還』以来、32年ぶりにルーク(マーク・ハミル)、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)、レイア(キャリー・フィッシャー)がそろい踏みし、R2-D2、C-3PO、チューバッカという人気キャラクターも再登場。親子2世代、3世代を引きつけて大ヒットするのは間違いない。
洋画の歴代興収トップ3は、1位『タイタニック』272億円、2位『アナと雪の女王』255億円、3位『ハリー・ポッターと賢者の石』203億円。どこまで記録を伸ばせるか。
邦画も大ヒット作の新作が続々公開
人気作品の続編製作の波は、邦画でも高まっている。東映は、1986年からテレビドラマ、映画として人気を博した『あぶない刑事』を復活。10年ぶりとなる『さらば あぶない刑事』では、タカとユージの最終章が描かれるとされ、舘ひろし、柴田恭兵をはじめ、仲村トオル、浅野温子らおなじみの面々がそろう。往年のファンを呼び込めれば、有終の美を飾るヒットとなりそうだ。
KADOKAWAは、「角川映画40周年記念」として、『セーラー服と機関銃 ‐卒業‐』を製作中。映画で薬師丸ひろ子、ドラマ版で原田知世や長澤まさみが演じてきた主人公・星泉役には、"天使すぎるアイドル"としてブレイクした橋本環奈。監督には『婚前特急』などの気鋭・前田弘二を起用し、伝説の作品に新風を吹き込む。
東宝が復活させるのは『ゴジラ』。12年ぶりとなる『ゴジラ2016』の脚本と総監督は『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明、監督と特技監督を『進撃の巨人』の樋口真嗣が務める。30年来の盟友2人が、今どうゴジラを作るか? 興行面での"大暴れ"にも期待大だ。
邦画界2大巨匠が挑むマンガ原作のSF超大作
近年の邦画ヒットの重要キーワード「マンガ原作」。昨年は『るろうに剣心』の2部作が興収95億円超えのヒット。『テルマエ・ロマエII』『ルパン三世』『土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJI』なども20億円のハードルを超えた。今年は『暗殺教室』『寄生獣』などが20億超え、『進撃の巨人』は前後編で40億円を突破しそうだ。
そんななか「人気マンガ×挑戦的な名監督」の組み合わせでヒットを狙うのが、製作中の2本のSF大作だ。1本は、累計1200万部突破の青年マンガを三池崇史監督が実写化する『テラフォーマーズ』。これまで『クローズZERO』『土竜の唄』などでマンガ原作を成功させた"世界の三池"が、日本映画初のアイスランドロケを敢行。「『スゲー漫画』から『スゲー映画』が生まれる事を証明しようと思う。映画をナメたら火傷するぞ!」と意気込む。
もう1本は、大友啓史監督(『るろうに剣心』)が、SFミステリーの実写化に挑む『秘密 THE TOP SECRET』。4年前から企画していたという大友監督は、「映像化は、『るろうに剣心』に続く大冒険です。力強いキャスト・スタッフと共に、『心に突き刺さる映画』を目指します」とこちらも気合い十分。来年は、名監督と人気マンガのコラボに注目だ。
(日経エンタテインメント! 相良智弘、泊貴洋、平島綾子)
[日経エンタテインメント! 2015年10月号の記事を再構成]
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