世界最大の映画マーケットである米国では、毎年600本以上の作品が公開されている。全米で人気がある映画は、いかにして生み出されるのか。最近の全米歴代興行収入ランキングの傾向を読み解くことで、今後のヒット作のキーワードやトレンドが見えてくる。
今、全米の映画興行界は史上空前の活況に沸いている。2013年の年間興行収入は109億2000万ドルで、2012年に記録した過去最高興収をさらに抜いた。2014年も好調で、1~2月の興行収入だけを見ても、既に前年比10%近い伸びを示しており、新たな作品が歴代上位に入りそうだ。では、どんな映画が人気なのか。歴代興行収入トップ50位から、現代に続く、ヒットの傾向を読み解いていきたい。
歴代1位は、3D(立体)映像による、見たこともない臨場感が観客の目をくぎ付けにした『アバター』、2位はラブロマンスとスペクタクル映像を画期的に融合させた『タイタニック』、3位はアメコミヒーローの『アベンジャーズ』。このトップ3は、「3D」「ラブロマンスとスペクタクル映像の融合」「アメコミヒーロー」という、現在も続くヒットの切り口を開拓した象徴的な作品といえる。
3Dについては、『アバター』以降、3D映画が米国における映画興行の集客の目玉となり、2014年も『GODZILLA』(5月16日公開、公開日は米国、以下同)が、ゴジラシリーズ初の3D化作品として、話題になっている。