7つのヒントで「お給料」は必ず増える

2015/8/24
日経ウーマン

業務の実績に応じてお給料を決める成果給を導入する企業が増えています。そうした環境のなかで、どうしたら給料を上げられるのでしょうか。詳しい識者に聞きました。

お給料をアップするワザは仕事で一歩踏み出すこと

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「給料を上げる方法は2つ。残業をするか、時給を上げるかです。おすすめは後者」と、プロ研代表の俣野成敏さん。では、どうしたら時給を上げられるのか。

「継続的な知識やスキルの向上と、実績を積み重ねていくことは基本。ただし、会社の人事評価の対象外の部分で頑張っても、給料アップにつながらない。給与と評価システムをきちんと知っておくことは大切」とは、出版コンサルタントの土井英司さん。

上は男女別の賃金カーブ。女性の場合、賃金のピークは45~49歳。54歳以降は男女ともに賃金が下落。「30代、40代前半で給料を上げれば、貯蓄も増やせる。収入を上げる努力は必要」(山崎さん)。

同時に「必要なのが仕事の幅を広げていく努力」だ。指示通りの業務をこなしているだけでは評価されず、給料も上がらない。仕事で「ちょっと背伸び」をして、届きそうなところから、これまでと違う行動や、新しい仕事を始めてみるといい。手が空いているときに自分から声を掛けて忙しい人の仕事を手伝うとか、日頃ムダと感じていることを紙にまとめて業務改善を提案するなどだ。「いつもの仕事の範囲内で収まっていないで、一歩踏み出すことが次のチャンスにつながります」(慶応義塾大学名誉教授・花田光世さん)

厚生年金、健康保険など社会保険料の負担が増している。「円安による物価の上昇や、17年4月予定の消費税率10%への引き上げもあり、収入が増えなければ使えるお金は減っていく」(投資教育家の山崎俊輔さん)

そのためにも、「さまざまな状況に臨機応変に対処できる力=人間力を磨くこと」と花田さん。人間力とは、希望に沿わない異動や、仕事がうまくいかないときにも、前向きな姿勢を忘れず、周囲と調整しながら仕事を進められる力を指す。「スキルは時代とともに陳腐化することもある。人間力があれば、仕事で継続的な成果を出せるのです」(花田さん)

でも、もともと会社の定める給与水準が低い場合はどうしたらいいだろうか。「そのときは、転職という選択もある」(土井さん)。「投資をしてお金に働いてもらうのも手です」(俣野さん)

給料アップの7つのヒント

お給料を上げるヒントと言っても、身構える必要はありません。意外に簡単にできるものもあります。4人の専門家に聞きました。

会社員の場合、お給料がどのようなステップで上がるかは就業規則などで定められているはず。「この基本情報を知らない人が多い」(山崎さん)。ルールが分かればどう働くべきか見えてくる。また、各種手当をチェックするのもポイント。「所定の資格を取得した人に数万円の資格手当を出す会社もある」(山崎さん)。教育訓練給付金を使ってお得に資格を取得するのもおすすめ。

会社の人事評価システムで、良い評価をもらうにはどうしたらよいだろうか。「重要なのは、自分の評価をする上司が何を優先するのかを把握すること。例えば、時間にルーズなのを嫌がる上司の下で、いくら営業成績を上げても遅刻が多ければマイナス評価になりかねない」(土井さん)。普段から上司の言動や行動をよく観察して、上司の好みに合った仕事ぶりをアピールすべし。

収入アップ女子の多くに共通するのが、「頼まれた仕事は断らない」こと。「いろいろなことに対応してくれる社員は、職場でなくてはならない存在になる」(土井さん)。「困ったときに頼りになる人になれば、新たなチャンスにつながることも」(花田さん)。面倒だなと思っても、笑顔で仕事を引き受けてみよう。周囲があなたを見る目も変化するはずだ。

「給料を上げるには、人と同じことをしていてはダメ」と俣野さん。「自分の強みを2つ持てば、希少価値が高まります。例えば、英語とITスキル。2つを持つ人は多くないから、転職時もよい年収で交渉できる」(土井さん)。「花形の部署は良い人材が集まって競争率も高い。あえて誰もやりたがらない部門に行くのも差別化戦略となる」(俣野さん)。代わりがいない人材になるには何が必要か、考えてみて。

「会社員にとって収入アップは、出世ともリンクする。自分を引き上げてくれる人が誰かを見極めることも大切」(俣野さん)。理想は社長に「良い人材だ」と覚えてもらうこと。とはいえ、それが難しいなら「エース社員の仕事ぶりをまねしてみよう。結果を出しているエース社員と知り合いになって、仕事術を素直に教えてもらうのもいい。社内の人脈も得られるし、仕事のやり方も学べる。得るものは大きい」(土井さん)。

人事考課の面接で提出する「面談シート」。特に書くことがないとスカスカで提出していないだろうか?「これは非常にもったいない」(山崎さん)。自分の仕事の成果は自分で発信しないと、周囲は気づいてくれない。アピールすることは大切。「ビジネス向けSNSであるリンクトインに自分の経歴や実績を書いて社外に発信して転職し、今では年収数千万円という人もいます」(土井さん)。

成果は挙げているのに評価が低いままで給料も上がらないなら、給料が妥当なのか調べよう。「転職情報サイトをチェックしたり、転職エージェントに登録したりして、転職した際にもらえる年収を調べる。提示された年収が現在より高ければ、人事考課の面接のときに上司に直談判してみる余地はありますよ」(俣野さん)。

「収入アップを考えたとき、残業をして収入を増やそうとする人は少なくありません。ですが、それでは疲れてしまい仕事の効率も下がる。おすすめは投資です。お金に働いてもらえば、労働時間は変えずに収入アップも狙える」(俣野さん)。そのためには投資の勉強は必要だ。

この人たちに聞きました

土井英司さん
 出版コンサルタント・ビジネス書評家。出版社勤務を経てAmazon.co.jpの立ち上げに参画。27歳で同社の「Company Award」を受賞。30歳でエリエス・ブック・コンサルティングを設立。全国各地でビジネスセミナーを開講する。『20代で人生の年収は9割決まる』(大和書房)など著書多数。
花田光世さん
 慶応義塾大学名誉教授。慶応義塾大学文学部心理学科卒業。南カリフォルニア大学大学院で社会学博士号を取得。専門は人的資源開発論・キャリア論。著書に『「働く居場所」の作り方』(日本経済新聞出版社)など。
山崎俊輔さん
 投資教育家。中央大学法学部卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。ファイナンシャル・プランナー、消費生活アドバイザー。著書に『20代から読んでおきたい「お金のトリセツ」!』(日本経済新聞出版社)など。
俣野成敏さん
 プロ研 代表・ビジネス書作家。シチズン時計でメーカー直販在庫処分店を社内起業。33歳でグループ約130社の現役最年少役員。その後セミナーなどを行う「プロ研」を設立。著書『残業しないのに給料が上がる人がやめた33のコト』(角川学芸出版)。

(日経WOMAN 田中祥子)

[日経WOMAN 2015年8月号記事を再構成]