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話が違うよ、転職後の給料 求人広告を信じ込まないで

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日経ウーマンオンライン
こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。これから、転職活動をしようと思っている方、いらっしゃいますか? あなただけでなく、あなたのパートナーや家族が転職をするとき、もし求人広告と実際の労働条件があまりにもかけ離れていたらどうしますか?

高待遇の労働条件だったはずが…

キャリアアップのために転職を決意した美代子さん。求人誌を見ていたら、今までの実務経験を活かすことのできる高待遇の求人があり、早速応募することに。採用面接もトントン拍子でクリアし、来月から新しい会社で働くことが決まりました。

入社してからしばらく経ち、初めての給与日がやってきました。上司から給与明細を渡され、昼休みにそっと封を開けてみると…。そこには、全く予想もしなかった金額が記載されていました。

「たしか、基本給は25万円だったはず。なぜ、16万円なの? それに、5万円あるはずの営業手当もついていない!」

給与には賃金計算期間があり、途中入社であれば、日割計算ということも考えられるでしょう。しかし、美代子さんの場合は賃金計算期間の初日から働き始めたので、1カ月分の給与を受け取る権利があります。美代子さんは、その給与明細書を持って早速社長室に向かいました。

「いったいこれはどういうことですか? 求人広告の給与と全然違うじゃないですか?」

室長は顔色を変えず、淡々と次のように言いました。

「君は今、試用期間中だよ。試用期間中は見習いだから、基本給は満額払えない。営業手当も一人前の営業ができるようになってから支払うことになっている。それが、わが社の決まりだからね」

美代子さんは、驚きで身体が震えました。

「いつになったら一人前と認められるんですか?」

すると室長は、「試用期間が明けてからだね。試用期間は6カ月だけど、出来が悪い社員はもっと延長することもあるから、せいぜい頑張ることだね」と、涼しい顔で言い放ちました。

美代子さんは、ショックで言葉を失ってしまいました・・・

求人広告はあくまで目安

就職情報誌や求人広告などに掲載されている求人情報は、あくまでも応募者に提示するための労働条件の目安だと考えられています。ですから、求人広告に記載された労働条件と異なることが、即違法とまでは言い切れません。

しかし、人材を集めるために、本来は支払うつもりのない高額の給与や、労働条件を極端に高く提示するのは大変問題です。

入社時にこうした誠意のない対応をされると、入社後の待遇においても先々不安に感じてしまうのは当然と言えるでしょう。この場合、労働契約そのものを解除する、ということも考えられます。

試用期間中においては、仕事を覚えてもらうための研修期間として、通常の給与よりも低く設定することもあるでしょう。低い場合でも、「最低賃金」を守ることは言うまでもありません。

もし、試用期間中と本採用後の給与が異なるときは、求人募集の段階で試用期間の長さや労働条件の変更があることを会社は示すべきです。

採用時に労働条件をチェックすることが大切

こうしたトラブルを避けるためにも、求人広告の内容を鵜呑みにせず、採用時に会社から明示される労働条件を確認しておくことが大切です。

法律では、労働契約を結ぶ際に、労働者に対して賃金や労働時間など労働条件を明示することが義務付けられていて、一定の事項については書面により交付されることが決められています(労働基準法第15条1項)。

採用時に交付される「労働条件通知書」や「雇用契約書」などの内容をしっかりと確認し、疑問点を残さないようにしておくことです。こうした書面に代えて、就業規則や辞令を渡される場合もありますが、面倒と思わずに労働条件を確認しておくようにしましょう。就業規則には、試用期間の長さや延長などについて書かれています。

美代子さんの場合、会社から渡された労働条件通知書には、確かに基本給25万円、営業手当5万円、通勤手当支給と記載されており、試用期間中の給与変更については特に明記されておらず、説明も受けていませんでした。

事実と異なるときには労働契約の解除も

採用時に明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除することができます(労働基準法第15条2項)。

美代子さんの場合、採用時にもらった「労働条件通知書」の内容と実際が違っていたので、労働契約の解除は可能です。

もしこれが求人広告との相違であれば、求人票はあくまで目安であるため、採用時に明示された労働条件とは言えません。ですから、採用時に明示された労働条件を確認することが大切になってくるのです。

なお、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合は、使用者は必要な旅費を負担しなければならない、という規定もあります(労働基準法第15条3項)。

「帰郷」とは、通常は就業する直前に住んでいた場所まで帰ることを言います。直前の場所でなくとも、父母その他親族の保護を受ける場合には、その住所に帰る場合も含まれます。

「必要な旅費」とは、帰郷するまでに通常必要とする一切の費用を言い、交通費のほか、食費や宿泊費、引越代も含まれます。もし、労働者とともに生計を維持されている同居の親族が転居する場合には、その人の分も含まれます。実際に旅費の請求を希望する場合には、弁護士等に相談されるとよいでしょう。

特に女性の場合、こうしたトラブルに遭っても我慢される方が多いかもしれません。法律上は、契約解除ができることを心の片隅に留めておいてくださいね。

佐佐木由美子(ささき・ゆみこ)
社会保険労務士。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所等に勤務。平成17年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、【働く女性のためのグレース・プロジェクト】でサロンを主宰。著書に「知らないともらえないお金の話」(実業之日本社)をはじめ、新聞・雑誌、ラジオ等多方面で活躍。

[nikkei WOMAN Online 2014年8月26日付記事を基に再構成]

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