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最高益企業、女性が業績に貢献

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NIKKEI STYLE

円安やデフレ脱却の流れに乗り、経営環境は好転している。上場企業の2015年3月期決算をみると約2割の企業が経常利益で過去最高益を記録した。最高益企業で業績に貢献する女性社員の姿を追った。

中国やタイ、インドネシア、ブラジル、ペルー――。味の素食品研究所で技術開発センター長を務める野坂千秋執行役員(54)は世界を飛び回る。「どうしたらもっとおいしくできるのか」。現地料理に合わせて開発した調味料に、日本で研究する味や香り、食感などに関する独自技術を応用し、改良を後押しする。

味の素は15年3月期の連結経常利益が2期ぶりに最高益を更新した。国内は原材料高の逆風が吹いたが、海外の利益は2ケタの伸び。タイの「ロッディー」、インドネシアの「マサコ」など現地料理向けの調味料がけん引する。

1983年に入社して研究畑を歩んできた。転機は支社の技術支援部門への長期出張だ。洋食レストランなどで直接シェフの声を聞き、現場の要望を拾う大切さに気づいた。11年に執行役員となり食品研究所の商品開発センター長に就任。研究所が持つ技術を消費者ニーズに落とし込む仕組み作りを担った。「国内外の商品開発の速度が速くなった」。貢献が評価され、6月下旬に常務執行役員に昇格する。

「無事調印」。ダイキン工業の法務・コンプライアンス・知財センター、安田佐和子さん(35)に1月29日、朗報がメールで届いた。ベルギーの化学メーカーから欧州での冷媒事業を買収した。昨年3月から担当していたM&A(合併・買収)案件だ。ドイツで2度開いた交渉にも唯一の女性担当として同席した。

ダイキン工業は海外で市場を広げ、15年3月期連結決算は2期連続の最高益だ。海外法務担当の安田さんは一翼を担う。02年に女性総合職を大量に採用した1期生。「長く働くには専門性を持ちたい」と法務部門を希望し、男ばかりだった職場で腕を磨いた。

交渉は細部にわたる。「条文はこれでいいのか」「この合意は不利益にならないか」。多い日は1日50本のメールが届いた。それを一手に担い、担当部署や弁護士に照会してさばいた。「海外M&A案件を初めて1人で担当した。調印の知らせは格別のうれしさがあった」と話す。

15年3月期に純利益過去最高を更新したセコムは家庭向けセキュリティー事業が伸びている。契約は約107万件(3月末)と同業他社を圧倒する。背景には「女性ならではの視点」を生かした新規事業がある。家事代行など顧客の意向を的確につかんだホームサービス事業の拡大だ。

「セコムが掃除をするという発想は全くなかった」とホームサービス事業部主任の伊達恵子さん(47)は振り返る。90年に入社。家庭向けサービスを新たに提供するため、04年にプロジェクトが発足すると同時に配属された。

顧客は何を求めているかをゼロから考えた。その中で高齢者や共働き世帯の「お掃除代行」に目を付けた。伊達さんも子どもが保育園に入ったばかりで仕事と家事の両立に奮闘していた。

家事代行業者は多いが、信頼して自宅を任せてよいか不安だった。「本業がセキュリティーのセコムだから安心してもらえた」。庭の手入れや部屋の模様替え、ふとんのクリーニングなど多様なサービスをそろえてきた。伊達さんは「子育てや共働きなど、お客様の困りごとを聞いて提案するのに女性ならではの視点が生きる」と強調する。

業績の回復は円安やデフレ脱却など外部要因も大きい。ただ労働力人口が減っていく状況で、成長に女性の力は欠かせない。三菱電機FAシステム事業本部の松田恭子さん(35)は技術営業として働く。15年3月期の営業利益が過去最高益の同社で、FAシステムを含む産業メカトロニクスは全売上高の3割を占める。松田さんは製造ラインを制御する「シーケンサ」装置の専門家。「生産工程をどう改善したいのかを聞き、使い方を教える」

工学部卒の"リケジョ"。02年に入社してシーケンサ設計を担当、07年に技術営業に転じた。13年夏に出産し昨夏復帰した。技術営業にやりがいを感じていたが、不安もあった。製造現場は主に地方や郊外だ。出産前は東京を拠点に関西や東北へ出張した。そんな働き方はできない。

「技術営業を続けたい」。希望を伝えると上司が動いた。担当を調整し松田さんは日帰り出張圏内の顧客を主に任された。貴重な戦力を失うわけにいかなかったからだ。「おかげで今も働けている。他社の製品を使っている顧客をどうひっくり返すか。会社への貢献を日々考えている」

(女性面編集長・石塚由紀夫、成瀬美和、佐藤亜美)

形式的な登用は逆効果

「女性登用は企業業績にプラス」。女性活躍推進派からはこうした主張が聞かれる。だが現実はそれほど単純ではない。

大和総研は女性取締役比率と、企業の収益性を示す自己資本利益率(ROE)の関連を調べた(2014年末時点)。対象は上場企業などデータが取れる1845社。女性取締役がいる企業は実績ROEと予想ROEとも女性取締役がいない企業を上回った。ただその差はわずか。逆に女性取締役比率が0%超10%未満の企業は、いない企業のROEを大きく下回った。

各社の役員数を考慮すると、役員比率0~10%未満は女性役員が1人しかいない企業がほとんど。分析を担当した伊藤正晴主任研究員は「名目的に女性1人を登用する程度では多様化の効果が望めない可能性がある」と解説する。

女性活躍を含むダイバーシティー(価値観の多様化)研究が盛んな欧米では、ダイバーシティーのプラス効果に懐疑的な見方が出ている。ダイバーシティーには(1)性別や年齢など外形的な違いだけに基づくデモグラフィー型(2)能力や経験など内面の属性に基づくタスク型――の2つがある。早稲田大学ビジネススクールの入山章栄准教授は「タスク型は組織にプラスだが、デモグラフィー型は何ら影響を与えないか、むしろマイナスだと昨今の研究は示している」と強調する。

属性の違いが「男性対女性」といった軋轢(あつれき)を生み、組織が停滞するからだという。

入山准教授は「数値目標ありきで『女性だから』と登用しても益はない。性別ではなく個々の能力や経験に基づき人材登用するか、性別だけでなく年齢や国籍など様々な属性で徹底的に多様化に取り組むことが大切だ」と助言している。

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