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「悪いニュース」を英語で上手に伝えるには 同時通訳者の英会話レッスン

2015/3/31

日経ウーマンオンライン

こんにちは、同時通訳者小熊弥生です。ココロが伝わる英会話術、前回はディナーやランチの手配についてコツをお伝えしました。学んだ表現を使ってみると、「私はここがわからなかったんだ」という気付きが生まれるもの。今回は「悪いニュース」を英語で伝える時にどのような配慮が必要かを考えていきたいと思います。

■「悪いニュース」のインパクトを和らげて伝える

ビジネスでもプライベートでも、物事は必ずしも良いことばかりではありません。ミスをしてしまったり、納期が遅れてしまったり、遅刻をしたりといった場合は、英会話でも当然、相手にそのことを伝えなくてはなりません。悪いニュースを英語で伝えるとなると、ハードルがどんどん高くなるように感じるという方もいることでしょう。しかし、悪い情報こそ伝え方が重要です。配慮の行き届いた伝え方ができるかどうかで相手が受ける印象は変わりますし、うまく和らげることができれば、不要な衝突を避けられ、コミュニケーションを円滑にすることにつながるのです。

過去には私自身、これを意識できなかったが故に、職場で嫌な気持ちになってしまったり、相手を嫌な気持ちにさせてしまったりしたことが何度もありました。その実体験から身をもって学んだ、「悪いニュースをうまく伝えるコツ」をお伝えしましょう。

まず、ふだん皆さんがどんなふうに「悪いニュース」を伝えているかを振り返ってみてください。日本では、悪いニュースの前にはおわびの言葉を添えるのが一般的ではないかと思います。たとえば遅刻しそうな場合、ただ「遅刻します」と用件だけを伝えるのではなく、「申し訳ありませんが、遅刻します」というように悪いニュースを伝えることが多いでしょう。このような表現は、英語でも同様の発想で使われます。“I am sorry, but I will be late.”とおわびの言葉を添えれば、悪いニュースのインパクトは和らぐでしょう。

■相手の視点から「良いニュース」を見つける

一方、日本ではあまり使われない方法もあります。例えば、顧客に「商品の納期が遅れます」と伝えなければならないとしましょう。このような場面では、よく「悪いニュースと良いニュースがあるのですが、どちらから聞きたいですか?」というように相手に選ばせることで、インパクトを和らげます。

“First of all, thank you very much for your time today. Actually, we have some good news and some bad news. Which one would you like to hear first?(今日はお時間をいただきありがとうございます。実は、良いニュースと悪いニュースがあるのですが、最初にどちらを聞きたいですか?)”

先に良いニュースを伝えられれば、悪いニュースの印象を弱めることができるでしょう。もし悪いニュースを先に伝えることになった場合は、そこに良い情報も付け加えるようにします。

“The bad news is that the delivery will be late by a week, but the good news is that we are able to provide a 10% discount, as the yen continues to depreciate.(納品時期は1週間遅れますが、円の下落のおかげで10%ディスカウントした値段で納品できます)”

「付け加えられるような良いニュースがない」と思ったとしても、今一度情報を俯瞰し、相手の視点から「良いニュース」を見つけましょう。

“Sales are not as we expected. That in itself is not good news, but the launch of our new model has been expedited. Thus, that may increase sales somewhat.(予想通りには売れていません。これは良くないニュースですが、新型の発売が早まることで売り上げ増加が期待できるでしょう)”

このように、悪いニュースも見方を変えれば良いニュースにできることは少なくありません。それがたとえ、すばらしく良いニュースではなかったとしても、相手は「自分の視点で考えてくれた」と感じ、悪いニュースだけを伝えられるより気持ちが和らぐはずです。

英語には“put yourself in the other person's shoes”という表現があります。これは「相手の靴をはいてみよう」という意味。「相手の靴をはく=相手の立場に立つ」ことができれば、悪いニュースを良いニュースに変えて伝える達人になれるでしょう。もちろん、悪いニュースが出ないよう、“proactive(事前の)”な確認を丁寧にしておくことが一番大切であることは言うまでもありません。そうでないと“reactive(後手後手の)”な対応に追われることになってしまいます。

小熊弥生
同時通訳者。71年生まれ。実践女子短期大学国文科卒業、2004年早稲田大学社会科学部副総代で卒業。短卒後のTOEIC は280点。独自の勉強法で、半年後に805点を取得して英会話学校講師に抜擢。後、TOEIC 950点、英検1級を取得し、短大卒業から3年半で通訳者に。通訳した現場は、5000件以上。

(構成 千葉はるか)

[nikkei WOMAN Online 2014年10月30日付記事を基に再構成]

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