あなどれない「夏の冷え」から、カラダを守る秘訣
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冷房による体の冷えが気になります。対策方法を教えてください(34歳・商社・営業事務)
冷房の設定温度は何度にしていますか? 例えば28度でも、冷たい空気は下にいきますから、床面の温度は約18度。足元から冷えてしまいます。通勤のときに汗をかいた後、冷房のきいた部屋に入ると、汗が蒸発するときに熱が奪われる上、冷たい空気にさらされるため体温はグッと下がってしまいます。寒さを感じなくても体はかなり冷えてしまうのです。
最も体を冷やすのが、こうした温度差。冷え予防には、特に冷やしてはいけないツボのある、首の後ろやお腹、足首などをストールやカーデガンなどで覆うようにしましょう。反対に、胸元には熱気がこもりやすいので、冷却シートなどで冷やすと暑さがひきます。
夏の冷えの特徴は、血行不良に加え、水分の代謝が悪くなること。摂取した水分が体に溜まり、むくみや下痢、めまい、頭痛といった症状を引き起こします。また30代は、東洋医学では、ちょうど体の変わり目の時期。年齢的にも体内の水分の巡りが悪くなってくるときなので、自律神経のバランスが崩れ、体温調節機能が鈍くなったり息苦しさや不眠、うつの症状などが出やすくなったりします。
なるべく体を冷やさない、冷えたら温める、ということを心掛けて過ごしてください。特に生理予定日の3日前からは、体を冷やす飲み物は控えるようにしましょう。
血行や水分の代謝を促す下半身の筋肉を鍛えることも大切。週に数回、ひと駅分を歩くだけでも違ってきます。
東洋医学では、冷えは万病のもと、と言われています。20代30代の体の冷えが蓄積し、更年期の症状が前倒しになることもありますから、体は一年を通じて冷やさないようにすることが大切です。
女性は男性よりも体が冷えやすい。熱をつくり出す筋肉が少なく、一度冷えるとなかなか温まらない脂肪が多いからだ。また、長時間オフィスの椅子に座ったまま仕事をするなどして、体内の血液や水分の巡りが悪くなると、体の冷えやむくみを引き起こす原因に。
この人に聞きました
目黒西口クリニック院長。内科医。杏林大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学第二内科勤務などを経て、96年に目黒西口クリニックを開院。東洋医学と西洋医学を融合した治療を行う。著書に『冷え性・貧血・低血圧』(主婦の友社)など。
(日経WOMAN 福島哉香)
[日経WOMAN2013年8月号の記事を基に再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
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