コロナ禍でも役立つ機能を搭載するAQUOS OLED
AQUOS OLEDには新型コロナウイルス禍の暮らしに役立つ機能も盛り込まれた。その1つは音楽コンテンツにライブ会場で聴いているような臨場感を加えて再現するイコライザー機能「音楽ライブ」モードだ。
廣井氏によると「コロナ禍で音楽ライブコンテンツの視聴が伸び、多くのユーザーから音楽コンテンツをテレビで楽しむのに、もっといい音で聴きたいという声が寄せられた」とのこと。こうした実情も、新機能搭載を後押しした一因だ。

AQUOS OLEDには聞き取りやすく臨場感に富んだサウンドを再現するため、高域用のツイーターユニットと、ミドルレンジスピーカーの開口部を正面に向けた、独自の「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS(フロント オープン サウンド システム プラス)」が採用されている。上位のDS1はさらに力強い低音再生を実現するため、背面にサブウーファーを設けた。シャープのオフィスで視聴したDS1のサウンドからは、まるでホールにいるような音の広がりと肉厚な重低音のインパクトが感じられた。音楽ライブモードをオンにすると中高域の音がいっそう伸びやかになり、音に包まれるような感覚を味わえる。
DS1/DQ1はともにAndroid TVを搭載するスマートテレビだ。マイクを内蔵するリモコンに話しかけてGoogleアシスタントを起動すると、チャンネルの選局、音量調整、外付けHDDに録画した番組の再生などが音声で操作できる。
DS1にはテレビ本体にも常時スタンバイ状態のマイクを内蔵した。リモコンボタンに触れなくても、声だけで主な操作が可能だ。今後は「衛生対策という観点からも、一歩先を行くテレビとしてAQUOS OLEDをアピールしたい」と廣井氏は意気込む。


シャープはAQUOSシリーズの誕生から今日まで20年の間、累計で約5000万台のテレビを販売してきた。日本国内で11年に地上アナログ放送停波が完了してから、21年で10年の節目を迎えた。一般にテレビの買い替えサイクルは9~10年前後といわれているが、最強のブランド名を冠したシャープのAQUOS OLEDが「明るい有機ELテレビ」という看板を引っさげて、先行するメーカーとのシェア争いにどこまで割って入ることができるのか注目したい。
(文・写真 ジャーナリスト兼ライター 山本敦、写真提供 シャープ)
[日経クロストレンド 2021年9月1日の記事を再構成]