LGBTQを知り、無知な偏見排除 多様さが人材呼び込むリンクトイン日本代表 村上臣氏(3)

村上臣 リンクトイン日本代表 
村上臣 リンクトイン日本代表 

世界各国・地域のアスリートが集まった東京五輪・パラリンピックはLGBTQ(性的少数者)の選手も多数出場し、話題になりました。ビジネス向けSNS(交流サイト)事業を展開する米リンクトインの日本代表の村上臣氏に、LGBTQ問題について語ってもらいました。

(1)「株式会社オレ」が次世代の人材に 会社人間もう古い

(2)1度の転職で「満点」はない 「3度目の正直」を探そう

私は学生時代からLGBTQに並々ならぬ関心を持っていました。大学にLGBTQの友人がいたのがきっかけです。当時はまだカミングアウトしづらい時代でしたが、打ち明けてくれました。

今の企業は真のダイバーシティー(多様性)が問われています。最近のLGBTQの学生の中には企業の採用面接の際、「僕はゲイですが、この会社で働けますか」とカミングアウトする人もいます。そこで「えぇ? 無理」などと採用担当者がいえば、当然多様性のある企業とはいえないわけです。海外企業の場合、宗教や国籍、人種への対応も常にダイバーシティーの課題になります。

LGBTQは11人に1人

日本の最新の調査によると、LGBTQの割合は11人に1人。「うちはLGBTQも外国人もごめんだ」という会社だと、優秀な人材は採用できなくなってしまいます。少なくともグローバル企業として成長することはないでしょう。

前職のヤフー時代もダイバーシティーを担当し、LGBTQの社員が安心して働ける職場づくりを進めました。今はリンクトインで働いていますが、よく話をするオーストラリアの男性社員がいます。「私のハズバンド(夫)は……」とパートナーの話題をよくしますが、そこで「ワイフ(妻)じゃないの」と驚くのは失礼に当たります。その同僚はゲイで、子供は養子です。しかし、そのような社員はいくらでもいます。

大事なことはまず「知る」こと。怖いのは無意識のバイアス、無知に基づく偏見です。アジアは保守的な地域です。現在も法律で「同性愛禁止」の国があるほどです。日本でもLGBTQに差別的な見方をする人は少なくありません。

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