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エンタウオッチング

お笑いの有料ライブ配信 公演後もチケット販売で稼ぐ

2021/8/30

エンタウオッチング

日経エンタテインメント!

コロナ禍となって以降、有料ライブ配信が注目を集めている。なかでも今年に入って好調なのが、お笑いのジャンルだ。5月31日に、オードリーの若林正恭と南海キャンディーズの山里亮太で開催した「明日のたりないふたり」は5万5000枚を売り上げ、1月1日に配信した「マヂカルラブリーno寄席」は、1万7000枚のチケットを販売した。

『マヂカルラブリーno寄席』 1月1日に無観客の無限大ホールから生配信。マヂカルラブリーが呼び寄せた、モダンタイムス、永野、ザ・ギース、脳みそ夫、ランジャタイが出演した。各芸人のネタ中に、客席で出番を待つ上記の芸人たちから、次々と野次が飛び交った

これらを配信したのが「FANY」。吉本興業が今年4月に、チケット販売、オンライン配信、オンラインサロン、クラウドファンディング、ECモールといった様々なネットサービスを統合しリブランディングしたものだ。昨年コロナ禍に見舞われたことで、急速にデジタル化を推し進めたという。

オンライン配信は、昨年6月に始まり、現在、全国14全ての劇場から配信が可能。この1年で約5500公演を配信した。コロナ前は、1年間に約1万9000回の劇場公演を行っていたそうで、その4分の1を超えている。配信ライブのチケットの価格に関して、吉本興業のFANY事業本部・山地克明氏、梁弘一氏は、「通常公演の約半額程度を目安にしています。1000~2000円ぐらいのものが多く、手軽に楽しんでもらえています」と語る。

オンライン配信ならではのメリットは大きく2つあるという。まず1つ目は、視聴者層が拡大したことだ。日本全国で視聴されており、「例えば、関西の若手芸人が多く出演する大阪の『よしもと漫才劇場』の公演を、全国のお笑いファンたちが購入してくれているんです」(梁氏、以下同)。

男性視聴者も増加傾向にあるという。昨年までは、購入者の90%以上が女性だったが、コンテンツが多様化してきた結果、今年に入って男性が増加。「明日のたりないふたり」は特に顕著で、20代と30代の男性で44%を占めた。「若林さん、山里さんともに深夜ラジオをやられているので、そこの男性リスナーが購入してくれたと分析しています。新規流入率77%という驚異的な数字も出ました」

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