「ハワイでは比較的ポピュラーなブランドです。様々な年齢層や趣向に合わせたデザインを用意しているので、自分の好みにあった一着を見つけやすいのが特徴ですね。天然のココナツ製のボタンを用いるなど、質の高さも申し分ありません」

同店でアロハシャツをセレクトする際の基準も満たした一着だという。
「僕がアロハシャツを仕入れる時に気をつけているのは、『東京の街中で着ても大丈夫か』という点です。具体的にはリゾート感が強すぎず、柄や配色が落ち着いているものを選んでいます。その点で、ネイビーの生地に濃色の柄をあしらったこちらは理想的な一着です。素材にレーヨンを使っているので、ややドレッシーな見え方をするのも大人の方に人気の理由です」
キューバの伝統シャツから着想 繊細なデザインに注目
「選択肢が少なく、シンプルになりがちな夏のメンズファッションにおいて、適度な主張をしてくれるアイテムが開襟シャツです。大人が着るなら、肩幅が合ったジャストサイズに近い一着を選びたいですね」
そう語るのは、東京・銀座などに直営店を構える「KURO(クロ)」の統括製造販売部マネージャーである江原圭吾氏。紹介してくれたのは、同ブランドオリジナルの一着だ。

「キューバやメキシコで昔から親しまれているシャツを元にデザインしました。特にこだわったのは、前面にあしらったストライプ状のピンタック(生地を細くつまんで縫い上げた装飾のこと)です。大抵の縫製工場では引き受けてもらえないほど繊細なので、高い技術を持った刺しゅうの工場に仕上げてもらいました」
キューバシャツはヴィンテージ好きの間では知られているアイテムだが、まだまだ一般的な認知度は高くない。どう着こなせばいいのだろうか。
「コンパクトなシルエットなので、バランスを取るためにボトムスは太めのものを選びましょう。特に色の濃いデニムと合わせると配色にメリハリをつけられます。シューズはレザーのサンダルのように、ややドレッシーな素材使いのものと相性がいいですよ」

文:FACY編集部 山梨幸輝(https://facy.jp/)
SUITS OF THE YEAR 2021
アフターコロナを見据え、チャレンジ精神に富んだ7人を表彰。情熱と創意工夫、明るく前向きに物事に取り組む姿勢が、スーツスタイルを一層引き立てる。