検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

「足の血栓」死に至ることも 飛行機搭乗より多いのは

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ今日からのセルフケアにお役立てください!

【問題】下肢の静脈に血の塊(血栓)ができて、肺の血管を詰まらせる静脈血栓塞栓症。「エコノミークラス症候群」や「ロングフライト症候群」という名称でも知られるこの病気の説明として、間違っているものは次のうちどれでしょう?

(1)飛行機の搭乗中よりも、入院中に発症する人の方が多い
(2)血栓が飛んで肺の血管を詰まらせる前に、下肢が腫れる、痛むなどの前兆がある
(3)水分が不足すると発症しやすい

答えは次ページ

答えと解説

正解(間違っているもの)は、(2)血栓が飛んで肺の血管を詰まらせる前に、下肢が腫れる、痛むなどの前兆がある です(実際には、そうした症状がなくいきなり肺の血管が詰まることがあります)。

下肢の深いところを走る静脈(深部静脈)に血栓ができると(深部静脈血栓症)、何らかのきっかけで血栓がはがれて心臓へと流れ、肺へ向かう肺動脈で詰まってしまうことがあります(肺血栓塞栓症)。この2つの病気は密接に関わっているため、総称して「静脈血栓塞栓症」と呼ばれています(図1)。静脈血栓塞栓症は飛行機に長く乗った人に発症することもあり、その場合、「エコノミークラス症候群」や「ロングフライト症候群」とも呼ばれます。

図1 下肢の静脈にできた血栓が肺動脈を塞ぐ「静脈血栓塞栓症」

そもそも、なぜ下肢に血栓ができてしまうのでしょうか。この病気に詳しい桑名市総合医療センター副病院長、循環器センター長の山田典一氏は、その理由を以下のように説明します。

「下肢は、上半身よりも重力がかかって静脈血がよどみやすいからです。歩行中は、ふくらはぎの筋肉が収縮・弛緩を繰り返し、静脈をギュッと圧迫して血液を押し流す『筋肉ポンプ』が働きます。ところが、長時間じっとしていると筋肉ポンプが働かないため、静脈の血液がよどんで血が固まりやすくなります。血の塊ができた状態で急に下肢を動かすと、筋肉が収縮して血栓がはがれ、血流に乗って肺まで飛んで行って血管(肺動脈)を詰まらせてしまうのです。血栓が大きければ心臓が止まり、死に至ることもあります」。

こうした理由に加えて、手術や外傷、喫煙などによって血管の内側にある内皮細胞が傷害され、血栓を作りにくくする物質が分泌されなくなること、また、脱水(水分不足)や病気、薬剤などによって血液自体が固まりやすくなることも、静脈に血栓ができる原因となります。

山田氏によると、静脈血栓塞栓症は、長時間のフライト中よりも入院中に発症する人の方が圧倒的に多いそうです。「フランスのシャルル・ド・ゴール空港の調査によると、1万キロメートルを超える長距離飛行に伴って静脈血栓塞栓症を起こした人は、100万人あたり4.8人でした[注1]。それよりはるかに多いのが、入院中で安静を要する患者です。例えば、開胸・開腹を伴う大きな手術を受けた入院患者は、1万人あたり7.75人が起こします[注2]。これは飛行機で起こるものの160倍にあたる数字です」。さらに近年は、地震や台風などの災害時、避難所や車中泊であまり体を動かさずに過ごした人に静脈血栓塞栓症の発症が多いことも問題となっています。「避難所や車中泊での発症者は、入院患者ほどではないものの、飛行機よりかなり多いと思います」(山田氏)。

症状が出ないまま、突然、肺動脈が詰まることも

下肢に血栓ができたとき、肺に詰まったとき、それぞれどのような症状が現れるのでしょうか。「下肢の静脈に血栓ができて静脈が塞がると、静脈の圧が上がって下肢が腫れ、炎症に伴って色調が変化する、痛みが強まるなどの症状が現れます。その血栓が流れて肺動脈に詰まると、最も多く出現する症状が突然の息切れや息苦しさといった呼吸困難、次いで胸痛です。冷や汗、血圧が下がる、失神や動悸などが出ることもあります。ただし、下肢に症状が出ないまま、突然、血栓が飛んできて肺動脈に詰まることもあります。症状がない場合、下肢の血栓に気づき、肺動脈に詰まる前に予防するのは非常に困難です」(山田氏)

こうしたことから、足をじっと動かさない状態が長く続くようなときは、血栓を予防することが大切です。一番の予防法はとにかく歩くこと。ステイホームで家でじっと座っている時間が長い人は、こまめに立ち歩くことが血栓の予防につながります。ただし、飛行機の中や災害時など、行動が制限される状況もあるでしょう。

「歩くのが難しいなら、足首を動かして筋肉ポンプを働かせます。下肢に血栓ができやすい人は、弾性ストッキングをはいて下肢に圧を加え、静脈のよどみをなくす方法もあります。あとは脱水にも注意が必要です。水分を控えて不足すると血液が濃縮して固まりやすくなるので、水分を補給して体を動かし、血栓を予防してほしいと思います」。山田氏はそうアドバイスしています。

[注1]N Engl J Med. 2001; 345 : 779-83.

[注2]麻酔. 2013;62(5):629-638.

この記事は、「血栓が肺に飛ぶ『肺血栓塞栓症』、気をつけたい初期症状は?」https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100023/102900081/(田中美香=医療ジャーナリスト)を基に作成しました。

[日経Gooday2021年6月14日付記事を再構成]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
画面例: 日経電子版 紙面ビューアのハイライト機能
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_