パンアイスの老舗が考えるヒットの理由とは

21年5月11日には、オハヨー乳業(岡山市)の「チョコチップメロンパンアイス」(235円)がファミリーマート限定で発売。09年から定期的に発売する「メロンパンアイス」の新作で、根強いファンに支えられ、すでに各店舗の在庫を残すのみとなった。

オハヨー乳業のチョコチップメロンパンアイス

パンをイメージしたアイスはなぜ増えているのか。オハヨー乳業は、「アイスにも小腹満たし需要が出てきたため」と分析する。アイスが朝食や間食の代替になっているというのだ。

それなら普通のパンを食べればいいと思うが、注目されているのがそのカロリーの低さだ。チョコチップメロンパンアイスは208キロカロリーなのに対し、ファミマが力を入れる「ファミマ・ザ・メロンパン」は403キロカロリー。およそ半分程度に抑えることができる。

側面にチョコチップが付き、断面を見るとアイスが詰まっている

前述のフレンチトースト風アイスバーは129キロカロリー、雪見だいふく八天堂監修カスタードくりーむ味に至っては1個88キロカロリーで、2個食べても200キロカロリーに満たない。本物のパンよりもカロリーが低ければ、アイスは有力な選択肢になる。実際、オハヨー乳業やロッテが狙うのはカロリーを気にする若い女性層だ。

また、「アイスの製造技術が上がり、パンの味を再現しやすくなったことも理由の一つ」(オハヨー乳業)。例えば、メロンパンアイスにチョコチップを付けると、チョコが硬くなって食べにくい。これまでの製造データからチョコの硬さを調整し、より本物の食感に近づけたという。フレンチトーストアイスの場合でも、焼き感を表現するためにパイ生地を入れた点が、企業の技術力の高さを示している。

こうした商品の購入者の多くがリピーターだ。まずは話題性で手に取ってもらい、おいしくてもう一度購入したくなる――。そうした循環がうまく回り始め、カップやモナカ、コーンといったアイスの定番に「菓子パン」が加わる日も近いだろう。

(日経トレンディ 寺村貴彰)

[日経クロストレンド 2021年5月28日の記事を再構成]

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