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月の平均気温0.7℃上昇も 天気の平年値10年ぶり更新

2021/6/14

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気象庁が「平年値」を更新、夏が暑く・長くが新基準に(写真はイメージ=PIXTA)
気象庁が「平年値」を更新、夏が暑く・長くが新基準に(写真はイメージ=PIXTA)
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「今日はどのくらい暑かったのか?」とか「今週は雨が続いているが、5月としてはどの程度雨が多いのか?」などを判断する目安が、気象庁で定められた「平年値」。気温や降水量などの一定期間の平均値で、2021年5月19日に10年ぶりに更新されました。新しい平年値によって冷夏や暖冬の評価が変わる可能性があります。気象予報士の伊藤みゆきさんが解説します。

◇  ◇  ◇

桜前線に続いて梅雨前線も、史上最速ペース

2021年は、1月前半は寒かったものの、1月後半からは気温が高く、特に3月は記録的な暖かさとなりました。

この暖かさで桜の季節があっという間に通過……。3月11日に広島で全国のトップを切ってソメイヨシノが開花(※沖縄県のヒカンザクラは1月4日開花)。平年より16日早く、広島としてもこれまでで最も早い開花でした。

東京は最早だった昨年と同じ3月14日(平年比-12日)に開花。この他、福岡・高松・京都・大阪・名古屋・金沢・新潟・福島など、各地でこれまでで最も早く桜が咲き、仙台は観測史上初めて3月中に桜が満開になりました。

4月20日に桜前線は函館へ達し、5月11日に釧路と稚内のエゾヤマザクラ満開をもって今年の気象台の桜の観測は終了しました。釧路は平年より9日、稚内は6日早い満開でした。

この5月11日、桜前線が梅雨前線にバトンタッチしました。九州南部が平年より19日も早く梅雨入り、5月15日には九州北部・中国・四国、5月16日には近畿・東海が梅雨入り。各地とも平年より3週間前後早く、統計史上1~2番の早さで雨の季節に入りました。

近畿・東海が梅雨入りした5月16日の天気図。梅雨前線が日本海にあり、早い梅雨入り早々「梅雨後半」のような気圧配置(提供/気象庁)

……ここまで「平年より」という言葉がたびたび出ていますが、平年とはいつを指すのでしょうか?

「平年値」は特定の1年の値ではなく、「過去30年間の平均値」のこと。値の更新は毎年ではなく、西暦の1の位が「1」の年(2001や2011)で、10年間同じ値を使うことが世界気象機関(WMO)によって定められています。

そしてこの値は、

(1)気温や降水量などといった気象
(2)冷夏や少雨などといった天候
(3)桜の開花やカエデの紅葉などの生物季節現象

を評価する基準として利用されます。

今年2021年は、10年ぶりの更新の年です。これまでは1981年から2010年の平年値を使っていましたが、5月19日に1991年から2020年の平年値に切り替わりました(前述の桜の開花平年日は5月19日前なので旧平年値、梅雨入り平年日は新しい平年値を使っています)。

10年ぶりの平年値更新、なぜ5月19日?

更新日がなぜ5月19日だったのかと思う人もいるかもしれません。

実は、2001年の更新は1月1日に行われました。ところが、前回の2011年の更新は5月18日に。その理由は、「気象庁のデータを用いて多くの情報が発表される中、それぞれの情報更新などへの準備期間を設けるため、1月1日ではなく春の更新になった」というものでした。さらに、予報や季節のまとめなどで最も影響が少ない時期を検討した結果、5月18日になったとのことでした。今回も前回にのっとったようです。

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「9月はまだ真夏」「残暑厳しい10月」も反映