自宅のネット接続遅いなら 確認したい3つのポイント
インターネット接続を遅くしている「犯人」を特定するのはそれほど簡単ではない。さまざまな場所に「容疑者」が潜んでいるからだ。例として現場を「インターネット空間」「マンション共用部」「家庭」に区切ってみよう(図1)。
自宅のネット接続環境の基本的なスペックを確認
インターネット空間では、特定のウェブサーバーにアクセスが集中したのかもしれないし、ページの作り方に問題があるのかもしれない。マンション共用部では、そもそも回線速度が遅いのかもしれないし、多くの家庭が同時に利用して混み合っている可能性もある。また家庭内では、電波干渉なども懸念事項。さらにネットとは関係ないところで、ウェブブラウザーなどがメモリー不足に陥っている可能性もある。これらのうち真の原因を見つけて対処することが大切だ。
最初に基本的な接続環境を確認しておこう。チェックしておきたいのは、(1)自分が契約している回線の速度、(2)利用しているWi-Fiの規格、(3)LANケーブルの種類だ。これらに遅いものが交じっていると、高速のネット接続は望めない。
プロバイダーのサイトで回線速度を確認
まずはインターネット回線の速度だ。ずっと前に契約してスペックを忘れていても、多くの場合はプロバイダーのウェブページで確認できる(図2)。
多くの家庭は高速な光回線だろうが、ADSL(2023年にサービス終了)ではスピードが出ない(図3)。
機器のWi-Fi規格をチェック
次は、Wi-Fiの規格(図4)。規格自体はここ十数年で格段に進歩したが、大事なのは自宅で実際にどの規格でつながっているかだ。
Wi-FiはWi-Fiルーター(親機)とパソコン(子機)の両方が対応する規格で通信する。その際、アンテナ数(ストリーム数)も重要な要素だ。というのも、実際の通信速度はWi-Fiルーターとパソコンのアンテナ数のうち、少ないほうに合わせられるからだ。現在のパソコンはたいていアンテナが2本だが、数年前の機種には1本のものもある(図5)。
Wi-Fiルーターの規格とアンテナ数は、メーカーのウェブサイトで確認できる(図6)。
一方、パソコンのほうはアンテナ数が公表されていないことが多い。そうした場合、Wi-Fiモジュール名を基に部品メーカーのサイトで確認できることがある(図7~図9)。
古いLANケーブルは要注意
Wi-Fiルーターは、モデムなどの機器とLANケーブルで接続する。念のため古い規格のケーブルを使っていないか確認しよう。回線が速い場合、古いケーブルでは力不足だ(図10)。
(ライター 岡野幸治)
[日経PC21 2021年7月号掲載記事を再構成]
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