人気スライサー5種を検証 極薄カボチャができたのは合羽橋の台所番長が調理道具を徹底比較【硬い食材編】

人気のスライサー5つの切れ味を徹底検証。1回目は硬い食材編

東京・合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの調理道具を徹底比較。今回から2回にわたって人気のスライサー5種類の切れ味を、硬い食材、柔らかい食材で比較検証する。第1回は硬い食材編をお送りする(価格はすべて税込み)。

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こんにちは、飯田結太です。野菜を千切りや薄いスライスにしたいとき、包丁だと時間がかかってしまいますね。こんなときに重宝するのがスライサーです。1日に何キロもの野菜を扱うプロにとって、スライサーは必須調理道具のひとつ。プロがスライサーを選ぶポイントは、切れ味が長続きすることはもちろん、使いやすさ、手や腕が疲れないかどうか、刃が替えられるなどの応用が利くかどうかです。

台所番長こと、合羽橋の老舗料理道具店、飯田屋の6代目、飯田結太氏

今回は、プロに人気のある5種類のスライサーの切れ味、応用力があるかどうかを、硬い食材、柔らかい食材で比較検証しました。まずは、5種類のスライサーを紹介します。

プロが一度は持つロングセラー

ベンリナー「万能野菜調理器ベンリナー」(メーカー希望小売価格2750円)。全長約314×幅92×厚さ24ミリメートル、刃の厚さ調節 0.3~5ミリメートルまで調節可能、平刃、クシ刃(細目1.5ミリメートル、中目3ミリメートル、荒目8ミリメートル)、安全ホルダー付き

ベンリナー(山口県岩国市)という、スライサー専門メーカーの代表的な製品「万能野菜調理器ベンリナー」。冗談みたいな名前ですが、毎日売れている製品です。切れ味が長く続くのは当たり前ですが、プロに愛用されている理由は、平刃のほかに、千切りの太さが変えられる替え刃が付いていること。そして、厚み調節するネジが優秀なことです。一般的なスライサーは、厚み調節ができると表示されていても、左右の厚みに偏りができてしまうことが多いのですが、これは、しっかりとしたネジによって、左右均等の厚みになります。その精巧さは海外でも知られており、指名買いされるほどです。

裏側の中心にあるネジでスライスする厚さを調節できる

スライス野菜がおいしく感じるスライサー

ベルナー「ベルナーV5」(メーカー希望小売価格6600円)。本体約373×幅143×厚さ54ミリメートル、厚さ調節1.5、3、5、7ミリメートルの4種類、平刃、3.5ミリメートル千切り刃、7ミリメートル千切り刃、刃を入れるブレードケース、安全ホルダー付き

「ベルナーV5」は、50年以上もの歴史を持つ、ドイツ、ベルナー社のスライサーシリーズです。刃が鋭角なV字になっているのが大きな特徴。包丁で野菜を切るときのような、引き切りに近い感覚で切れます。刃をよく見ると、細かいギザギザ刃「マイクロエッジ刃」になっているので、食材をしっかりキャッチして安定したスライスができます。厚さの調節は、V字刃が付いた板をカチャカチャと移動させるだけ。まるでプラモデルのような作りが面白いですね。切れ味が鋭いので、野菜の細胞がつぶれにくく、野菜本来のうまみがそのまま味わえるのもベルナーの特徴。これで玉ねぎを切ると、玉ねぎから目に染みる成分が出にくく、泣かずにスライスできます。

世界的なレストラン、料理家愛用の高級ライン

レズレー「アジャスタブルスライサー」(メーカー希望小売価格9790円)。全長約400×幅120ミリメートル、刃の厚み0.3~3.3ミリメートルの11段階調節、オールステンレス製

有名料理家や、ミシュランで常連となっている高級レストランのシェフが愛用しているのがこちら。ドイツの老舗調理道具ブランド、レズレーの「アジャスタブルスライサー」です。スライサーの中では珍しいオールステンレス製で、衛生面で安心度が高く、デザインもかっこいいので、ファンが多いんです。足付きでゴムの滑り止め付きなので、ボウルやバットにしっかり引っ掛かるのが特徴。動かないのでスライスするのがスムーズです。また、0.3ミリメートルごとに厚さの調節ができるのはこれだけ。細かく厚みを調節したい人におすすめです。

幅広・波刃で大きい野菜も対応

アーネスト「スーパーキャベツスライサー」(メーカー希望小売価格2075円)。全長約370×幅145×厚さ20ミリメートル、刃の厚さ1ミリメートルのみ(極薄スライス)、安全ホルダー付き

新潟県三条市の調理道具メーカー、アーネストの「スーパーキャベツスライサー」。名前の通り、キャベツの千切り用に作られた製品です。これでキャベツを千切りすると、ふんわりしているのにシャキシャキな食感の千切りができます。波刃なので角度が鋭角のところと鈍角のところが交互にあることで、切れ味が良いと好評です。ほかのスライサーとは違い、特定の野菜用に作られたものがどこまで応用できるかはこの後の検証で。

超極薄スライス専用スライサー

協和工業「夢ゲンスライサー」(メーカー希望小売価格2750円)。全長約380×幅138×高さ18ミリメートル、刃の厚さ0.5ミリメートル(超極薄)、安全ホルダー付き、凹凸刃

協和工業(大阪市)の「夢ゲンスライサー」は、超極薄の0.5ミリメートルにスライスできるのが特徴。キャベツはふわふわ食感になり、トマトやキュウリ、玉ねぎなども薄く切れると好評。凹凸刃のため、食材が程よく刃に食い込み、切れ味が長続きするのだそうです。厚さの調節ができないのが残念ですが、シンプルなスライサーとして人気。

以上5種類で検証します。結果は?

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外側硬め、実がつぶれやすいレモンで検証
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