進化したペン 超極細に3色型も、黒の色味に6タイプ
今旬ときめきステーショナリー
文具の中で人気の高い「ペン」に技術革新が起きています。超極細の線が書ける3色ボールペンや、ニュアンスの異なる6つの黒色を選べるボールペンなど、機能性に加え、個性を発揮できるペンが増えています。そこで今回は今注目したい最新のペンを厳選紹介します。
0.28ミリ超細字3色ボールペン
三菱鉛筆の「ジェットストリーム エッジ」は、滑らかに書ける低粘度油性ボールペン「ジェットストリーム」の新シリーズです。油性ボールペンで初めて(※)、世界最小のボール径0.28ミリの超極細の線が書けるボールペンで大ヒットしました。今までは単色のみの販売でしたが、3色モデルの「ジェットストリーム エッジ3」が2020年11月から新たに加わりました。
(※)2019年8月三菱鉛筆調べ
「ジェットストリーム エッジ3」は、機能性とデザイン性が両立した3色ボールペンです。名前に含まれている「EDGE(エッジ)」という言葉には「鋭さ」「切れ味」「限界」といった意味があります。本体のデザインや個性的なワイヤクリップ、ペン先に至るまでこだわりぬいたペンです。軸色のカラーはツートンターコイズ、ホワイトレッド、ブラックの3色で価格は各2750円(税込み)です。
「ジェットストリーム エッジ3」は、低粘度油性インクの「ジェットストリームインク」を使用しているので、濃くはっきりとした線を、なめらかに書くことができます。速乾性に優れているので、インクが手につかないのもポイントです。ボール径が0.28ミリなので、とにかく細く繊細な線が書けます。
インクの色の切り替えには、新たに開発した「スピロテック機構」という仕組みが使われています。一般的な多色ボールペンはリフィル(替え芯)が定位置にあります。スライド式のレバーを下に押すと、ペン先に向かって繰り出される仕組みです。ただ、筆記時の安定度が若干弱いというデメリットがあります。
一方、スピロテック機構は特殊な繰り出し方式で、すべてのリフィルがペン先に向かって真っすぐ出ます。このため単色ボールペンに近い安定感があり、書き心地も上々です。3色のリフィルは、軸後端のダイヤルを回して切り替えます。軽い力で簡単に回すことができるので、片手でも色を変えることができます。
最近は手帳やノートといった紙製品の中で、方眼やドットケイ線といったケイ線が細かいフォーマットの人気が高まっています。小さいマス目の場合、ボール径が太いとうまくマス目に合わせて書き込めず、はみ出したり字が汚く見えたりすることがあります。「ジェットストリーム エッジ3」は、描線幅がさらに細く、方眼のマス目に合わせてスラスラと文字を書くことができます。新開発の「ポイントチップ」が搭載されているので、ペン先が見やすく細かい文字もしっかり書けます。
微妙な黒のニュアンスにこだわった6色を用意
サクラクレパスの「ボールサインiD」は、ノック式の単色ゲルインキボールペンです。6色の黒インキのカラーバリエーションから自分にぴったりの色味を選ぶことができます。ビジネスシーンでも、さりげなく個性を表現できることから人気が高まっています。
「ボールサインiD」の名前は「自分の色を選ぶ=独自性(identity)」から付けられています。絶妙な6色のカラーバリエーションから自分にぴったりのインキを選べます。ボール径は2種類あり、ボール径が0.5ミリの軸色はダークグレー、 0.4ミリの軸色はライトグレーになっているため、見た目の軸色でペン先の太さが分かるようになっています。価格は各220円(税込み)です。
カラーはベーシックな黒の「ピュアブラック」、青みがかったブルーブラックに近い色合いの「ナイトブラック」、少し茶色がかった「モカブラック」、青緑のような深い色合いの「フォレストブラック」、赤みが入った「カシスブラック」、紫の上品さがある「ミステリアスブラック」の全6色。
「ボールサインiD」は、高級感がある見た目も特徴の一つです。クリップがノック部分と一体化している個性的なデザインで、クリップ下のカラーでインキの色が分かるようになっています。形は六角形と丸形を組み合わせた独自のデザインで、安定感があり、ペンを持つときに指にフィットしてくれます。
自分好みに合わせて絶妙なトーンを選ぶことができるので、仕事のメモや手帳に重宝します。メモなどの用途であればボール径が0.5ミリ、方眼や細かい文字を多く書くなら0.4ミリを選ぶのがおすすめです。その日に合わせて色を変えたり、要点をカシスブラック、補足にはフォレストブラックを使いわけたりするなど、3色ボールペンのように用途に応じて分けることで微妙な色合いを楽しむことができるボールペンです。
紙とペンの組み合わせを楽しむ「PERPANEP(ペルパネプ)」
コクヨの「PERPANEP(ペルパネプ)」は、紙とペンの相性に注目した新ブランドです。「TSURU TSURU(ツルツル)」「SARA SARA(さらさら)」「ZARA ZARA(ザラザラ)」の3種の書き心地が異なる紙とペンの組み合わせを楽しむことができます。文房具のリテラシーが高い方は、自分だけの書き心地のよい紙とペンの組み合わせを独自に追求している方も多いかと思います。「PERPANEP」なら、紙とペンの相性を楽しむことができます。
ペンは3種類あります。1本目はコクヨオリジナルの細字の水性ペン「ファインライター」で価格は220円(税込み)。2本目はゼブラとコラボレーションした0.5ミリの水性ジェルボールペン「サラサクリップ」で価格は143円(税込み)。3本目はプラチナ万年筆とコラボレーションした細字の万年筆「プレピー」で価格は440円(税込み)です。3種類とも全く違った書き心地が楽しめます。
「ファインライター」は、インクが染み出すプラスチックのペン先なので筆圧をかけずスルスルと書けます。思いついたアイデアをどんどん出したいときや、筆圧があまり強くない方におすすめです。
「サラサクリップ」は、その名の通りさらさらとしたなめらかな書き味が特徴です。色が濃くてにじまず、鮮やかな発色と豊富な色味が楽しめます。
「プレピー」は、本格的な万年筆の書き味を手軽に楽しむことができます。
3つの書き心地のペンに対して3種類の紙質のノートも新たに開発されました。滑るようにさっそうと書ける「TSURU TSURU」、なめらかでスタンダードな書き味が楽しめる「SARA SARA」、ザラっとした画用紙のような少し粗目の書き心地の「ZARA ZARA」の3種類。ノートのケイ線は3ミリ方眼ケイ、4ミリ方眼ケイ、5ミリ方眼ケイ、4ミリ方眼ドットケイ、6ミリステノケイのこだわりの5種類のケイ線×3種類の紙質で合計15種類のノートが発売されています。価格は各990円(税込み)です。
コクヨでは「TSURU TSURU」×「ファインライター」、「SARA SARA」×「サラサ」、「ZARA ZARA」×「プレピー」の組み合わせをおすすめしています。3種類の紙質によって摩擦抵抗が異なり、さらさらやザラザラの質感が再現されています。特に「ZARA ZARA」×「プレピー」の組み合わせは意外ですが、書くとサラサラと音も楽しめるのがポイントです。それぞれの書き心地が全く異なるので、自分の使いやすい組み合わせを探してみるのも面白い商品です。
コロナ禍で多様化するボールペン
日本の筆記具は世界的に見てもクオリティーが高い中、ここ数年で更に技術が向上しています。特に新型コロナウイルス禍で、ビジネスシーンだけの用途ではなく、オンオフ分け隔てなく使えるペンや、「書く」という行為の本質に向き合った商品が増えてきた印象が強くあります。これからもペンの進化から目が離せません。
(文/写真 やまぐちまきこ)
年間300万PVを超える人気ブログ「フムフムハック」の編集長。文房具を中心に「読んでフムフム・ワクワクする」コンテンツを発信。雑誌やWEBで文具ライターとしても活躍中。フムフムハック:https://www.fumufumu89.com/
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