声優・林原めぐみ 演じた多くの役からもらったもの連載 吉田尚記の声優核心バイオグラフィーN

日経エンタテインメント!

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ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーが声優に話を聞く日経エンタテインメント!の人気連載をNIKKEI STYLEで紹介します。今回のゲストは、『スレイヤーズ』のリナ=インバース役や『エヴァンゲリオン』シリーズの綾波レイ役など多くの代表作を持つ林原めぐみさんです。

3月30日生まれ、東京都出身。1986年『めぞん一刻』で声優デビュー。91年にはシングル『虹色のSneaker』でキングレコードからアーティストデビューを果たす。上記以外の代表作は『ポケットモンスター』のムサシ役、『名探偵コナン』の灰原哀役など

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声優アーティストの第一人者としても知られる林原めぐみさんが、自身の誕生日でもある3月30日にはアーティストデビュー30周年を記念したベストアルバム『VINTAGE DENIM』を発売しました。

今回お話を伺うにあたり、林原さんの演じてきたキャラクターを振り返ると、自分の主張をしっかり持っているキャラクターが多いなと感じました。ジェンダーの話といいますか、男性と女性では生きていくなかで気づくことが違うと思うのですが、1つの共通した哲学みたいなものが、役の面でも林原さんご自身もあるように感じられます。

「失礼を承知で、『哲学は頭の固い暇な男のもの、女があれこれ論じていたらその間に赤子が死ぬ。』という昔の女性の言葉があるんですけど、哲学をどう捉えるかにもよりますが、考察や裏付けと同時に、より本能的なものが演じる上では必要な気もします。

リナやレイちゃん、みよ吉(『昭和元禄落語心中』)だったり、たくさんのキャラクターを演じていくなかで、役の男女にかかわらず、私自身すごく恩恵をもらっているのは事実です。もうひと頑張りすることや、生きていく上で。

それを言葉にしてみんなに伝えたくなって、『スレイヤーズ』をきっかけに、より多く詞を書くようになりました。アニメを離れても、その歌そのものから『元気をもらった』『受験を乗り越えられた』という反応を見て、“頑張る”という作業は自分から湧いてきたものだけじゃなくて、他者からの背中押しが自分を鼓舞する材料として、この時代には必要なのかもしれないなと思ったんですよね。

また、アニメの世界から私がもらったありがたい力や思考回路、基点は、親子、兄弟、恋人、友達などいろいろな関係性など、現実で生かせる場面がたくさんあるとも感じていて。吉田さんに言っていただいたジェンダーというか性別も年齢も関係なく、『今、自分がやりたいと思うことをどうやったらやれるようになるか』、そんな道をどうしたら考えられるようになるかなといったことを伝えたいな、という気持ちは非常にありますね」

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そうじゃないよ、きっと、という余白が私の仕事
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