土偶女子らに人気投票ドキドキ総選挙 縄文人気なお

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国宝の火焔型土器とほぼ同じ、高さ46.5センチ、重さ約7400グラムのレプリカに触れることができる(新潟県十日町市)
国宝の火焔型土器とほぼ同じ、高さ46.5センチ、重さ約7400グラムのレプリカに触れることができる(新潟県十日町市)

縄文時代への人気が続いている。ドラえもんの映画にマニアックな土偶が登場したほか、今夏には「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産登録を目指す。改めて縄文人気を追った。

謎やユニークさが魅力

日常で縄文を目にする機会が多くなった。ちなみに縄文という言葉は、大森貝塚を発見した米国の動物学者、モース博士が縄目模様の土器を「cord marked pottery」と呼んだことに由来する。

縄文時代に詳しい東京都立大教授の山田康弘さんを訪ねた。一口に縄文時代といっても、始まりは約1万6500年前、1万5千年前、1万1500年前と諸説あり、終わった時期も定まっていない。

火焔(かえん)型土器や土偶に似たものは同時期の世界にほとんど存在しない。縄文時代には東日本で定住生活が定着。山田さんは、大半の土偶が東日本で出土する理由と考える。

定住で人口が増えればトラブルも多くなる。祈りで解決するため呪術的な土偶を作った。役割が解明されておらず推測の域を出ないが、謎やユニークさが人を引きつける。

展覧会でも若い女性が目立って増えた。土偶女子として有名なライターの譽田亜紀子さんは「土偶をカワイイと感じる女性が多い」と話す。

出土した土偶は全国で約2万点以上になるが「大半は女性で、男性を象ったのは10点もない」(山田さん)。縄文時代は母系社会だった可能性が高い。妊娠、出産は昔も今も女性だけのもので、「直感でつながるから共感しやすい」(譽田さん)。

縄文の謎や魅力をこよなく愛する人たちの活動が裾野を着実に広げている。

ファンサークルの縄文ドキドキ会がインターネット上で昨年実施した、土偶、土器などの人気投票「縄文ドキドキ総選挙」。上位4つが土偶だった。代表の小林亨さんは「ユニークな遺物を作った人たちをリスペクトする動きを起こしたい」と意気込む。

15年から不定期で発行するフリーペーパー「縄文ZINE」の記事は、「二枚のマスク」「遺跡はみんなキラキラネーム」など縄文らしからぬ見出しが並ぶ。創刊号は9000部だったが、最新号は3万部に伸びた。編集長の望月昭秀さんは「庶民文化が花開いたのは江戸時代と縄文時代。僕らも庶民だから共感できる」と人気を分析する。

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