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私のモノ語り

2021/4/2

私のモノ語り

白Tシャツは仕事着であり相棒

「ほかにレコーディングでは、ちょっとピンクのロゴが描かれている白Tシャツも着ました。そのTシャツは、わりと柔らかい気持ちで歌うときに着ると、温かい声が出せる気がするので『生きる』などを歌うときに着たと思います。

もう1つは、赤い文字で110%と書かれている元気いっぱいのTシャツ。古着で買ったものですが、これで歌うと身が引き締まります。メンバーから、性格が前のめりだと言われるので、そんな私がわざわざ着なくても……と思うのですが。これを着て歌っていると、『よく(性格を)表してるね』と言われます」

吉岡さんが古着で買ったという赤文字で「110%」と書かれた白Tシャツの写真(吉岡さんのInstagramより)

「私服でも、白いTシャツは好んで着るほうですが、最近は歌目線で選ぶようになりました。少し変なたとえかもしれませんが、消防士さんには消防服。陶芸家の方などが着る作務衣など、それぞれの仕事や作業にふさわしい服ってあると思うんです。私にとっては、白いTシャツがそれ。真っ白な状態で歌を入れるために着る仕事着であり、相棒です。なので、制作でもミックスやマスタリングでは全然白いTシャツにこだわらないんですよ。

今回の『WHO?』は、新型コロナウイルス禍の中で制作した作品です。20年は心待ちにしていた全国ツアーが中止になり、残念で仕方なかったし、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

私たちがそうであったように、コロナによって生活環境が激変したり、なかには苦しい状況に立たされている方もいるかもしれない……。そんななかで、『自分はどう考えるんだろう?』『自分にとって幸せとは何だろう?』『自分は何者なのか?』、そういったことを突き付けられる瞬間はたくさんあるかなと。

だから、アルバムタイトルの『WHO?』は、いますべての人が考えている時代とつながっている。リーダーの水野良樹が『WHO?』を提案してくれたとき、すごく共感できるなって思いました」

「いきものがかりは、『YELL』のようなバラードから『じょいふる』のような元気で疾走感のある曲まであり、曲によってかなり雰囲気が変わります。ライブ衣装も悩むのですが、散々迷った挙句、結局はシンプルなものに落ち着きますね」

ストレートな思いを表現したアルバム

「ポップミュージックは、自ずと時代を映し出すものだから、作り手も作りながら闘っている部分はあると思うんです。曲作りの中心になっている、男子メンバー2人は特にそうだろうなって。ジャケットのデザインはかわいいですが、ピュアな気持ち、ストレートな思いを表現した、ストイックさもあるアルバムになった気がします。

特に印象に残ったのは『きらきらにひかる』の2番の歌詞です。『あやまちだって人間の輝きで』という部分を読んだとき、『ここまで言ってくれるんだ』と、なんだか感動しちゃいました。こういうポップスが、ただ切ない、苦しい、相手を許したい……、だけじゃなく、過ちだって人間の輝きだと言ってくれる。その言葉に、私も救われる思いがしました。

聴いてくださる人も、『曲ではああ歌っているけど、自分はこう思う』とか『私もそう思ってた』とか、何かを感じてもらえたらうれしいです。いまは、ただでさえ自分ってどういう人間かを迷ったり、傷ついたりする。そういう時代の中で、刺さる曲たちが並んだアルバムができたと思いますし、このタイミングでこのアルバムを創り上げられたことは本当に良かったなと思っています」

「いま、気になるモノですか? 星のモチーフが好きなので、いろいろと集めています。レコーディングで使うイヤーカフも星形です。スポッと入って収まりも良く、気に入っています。

そうそう。最近買ったイヤリングも、星の形でした。ただ、チャームがたこ焼きくらいに大きいので、私の顔じゃなくイヤリングばかりが目立つんじゃないかってくらい存在感があります。普通に耳たぶにつけると首のあたりに星の先が刺さって痛いので(笑)、耳のいちばん外側につけるなど工夫しながら楽しんでいます」

吉岡聖恵(よしおか・きよえ)
1984年2月29日生まれ、神奈川県出身。水野良樹と山下穂尊に誘われ、いきものがかりのボーカルとなり、06年にメジャーデビュー。20年5月にYouTubeチャンネル『吉岡聖恵の毎日がどうよう日~家族で歌おう!~』始動。21年4月16日にフォトエッセイ『KIYOEnOTE-キヨエノオト-』を発売する。

『WHO?』

前作『WE DO』から約1年3か月ぶりとなるアルバム。ネットで話題となった『100日後に死ぬワニ』テーマソング『生きる』や、ドラマ主題歌『きらきらにひかる』ほか、吉岡さんが作詞作曲を手がけた『チキンソング』(「ABC-MART」CMソング)など全9曲中6曲にタイアップがつく。

(文 橘川有子、写真 藤本和史)

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