田中「キャリア形成を成功させる人に共通する特徴は」

森本「変化の時代、変化対応力を身につけている人。どれだけ経験を重ね、場数を踏んでいるかの違いが大きい」

田中「自律型キャリアで大切なのはアイデンティティーとアダプタビリティー。私らしくあることと、変化適合力だ」

森本「どうしても『must』と『can』でキャリアを考えがちだが、『will』すなわち自分らしさも大切。その3軸が交わるところを考えてほしい」

ウオーターフォール型ではなくアジャイル型

森本「これまではキャリアゴールを見据えて、どうキャリアを形成していくかが問われてきた。いまは未来が見えにくいので、ゴール設定と同時に目の前のことを一生懸命頑張ることが必要だ」

田中「シンプルなキャリア形成ではなく柔軟な考え方が大切」

森本「システム開発でいえば(順番を追って進めていく)ウオーターフォール型ではなく(機敏に対応する)アジャイル型。目の前のものに最善をつくし、壁を感じたら別の選択肢を用意する。なぜ副業を勧めるのかというと、選択肢を持ってもらいたいから。これからの時代、キャリアの選択を持つことが大切だ」

森本千賀子氏 morich代表。独協大外国語学部卒、リクルート人材センター(現リクルートキャリア)入社。転職エージェントとして活躍。リクルート在籍時にmorich設立、複業を実践し2017年に独立。2012年NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。著書に『無敵の転職』(新星出版社)など

田中「50歳代のキャリア形成どう考えるべきか」

森本「世代ごとに守らなければならないものがあり、優先すべきものが変わってくる。そうした観点からすると50歳代は結構自由。子育てが終わり、住宅ローン返済の先が見え、自由度が増える。収入やキャリアだけでなく、人生をどうしていきたいかなど、自分にとって大事にするもののポートフォリオを考えてほしい」

田中「キャリアアップのために何をすればいいのか」

森本「たくさんのプロフェッショナルや経営者を見てきたが、共通点を上げるなら、謙虚に学び続ける姿勢だろう。自分の子供と同じ年齢くらいのスタートアップ経営者に対しても謙虚に話を聞く姿勢を持っている」

同じ所にとどまり続けることはリスク

田中「ひとつの職業で長年同じ人たちと仕事していると、成長できる余地は限られる。同じ所にとどまり続けることはリスクともいえる」

森本「成長するには環境を変える必要がある。転職がリスクを伴うのであれば、副業は選択肢になると思う。ボランティアもある意味、副業といえる。大切なのは3つ目の居場所、サードプレイスを確保することだ」

森本「ひとりで悶々(もんもん)と悩まないでほしい。誰かと話すことで、考えを整理することができる。すでに答えは自分の中にあるはず。壁打ちできる人と話すうちに、答えは見つかるはずだ」

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