さあ確定申告 納め過ぎた税金、医療費控除で取り戻す知ってお得 女性の一生とお金(5)

Q:2020年は新型コロナウイルスの感染予防で、家族3人分のマスクや消毒用アルコールの出費がかさみました。年末年始はどうしても帰省の必要があり、自費でのPCR検査を受けました。これらは医療費控除できるでしょうか。(33歳 既婚 パート社員)

年末調整では戻らない税金とは?

20年分の所得税の「確定申告」が2月16日からスタートします。「還付申告」の受け付けはすでに1月1日から始まっていますが、確定申告の季節になると、「医療費控除」への関心が高まるようです。

還付申告とは、納め過ぎの税金を返してもらう申告手続きのことです。会社員や公務員など給料をもらって働く給与所得者は、勤め先が所得税額を計算したうえ給与天引きで納税しますが、前の年の12月に正確な税額を再計算し、「年末調整」で精算します。

ただし、年末調整では戻らない納め過ぎの税金もあります。医療費控除が使えるケースはその代表です。医療費控除は、本人や家族の医療費負担が大きかった場合に税負担を軽減する制度ですが、勤め先が所得税額を計算する際、医療費控除の対象になるかどうかまでは把握していません。そのため、本人が還付申告して納め過ぎの税金を戻してもらう必要があるのです。

10万円超でなくても対象となるケースも

医療費控除の対象となるのは(1)医師等による診療や治療のために実際に支払った費用(生命保険などの入院給付金、健康保険の高額療養費などを差し引いた金額)(2)治療や療養に必要な医薬品の購入費用――などです。

医療費控除の受け方には2通りあります。

まず、実際に支払った医療費のうち、10万円を超えた金額を医療費控除とする方法です。例えば、実際に支払った医療費の総額が25万円だったとすると、25万円-10万円=15万円が医療費控除の金額となります。

総所得金額が200万円未満の人は、「総所得金額の5%の金額」を超えた分が医療費控除として認められます。収入が給与だけの人であれば、年収297万2000円以下(総所得金額199万7600円と計算される)は総所得金額200万円未満となります。

例えば、夫の年収が300万円だと10万円を超えた部分となりますが、妻の年収が250万円であれば総所得金額は167万円と計算され、その5%の8万3500円を超えた金額を医療費控除できます。実際に支払った医療費の総額が9万5000円で「10万円に足りない」という場合も、妻が還付申告できるわけです。

上記のケースでは、実際に支払った医療費の総額が25万円だった場合、妻の医療費控除の金額が25万円-8万3500円=16万6500円なので、妻が還付申告したほうがトクになります。しかし、夫が高収入(適用される所得税率が妻より高い)のケースでは、夫が申告したほうが得になると考えられるので、前もって試算することをお勧めします。

医療費が10万円を超えなくても控除の対象になるケースも(写真はイメージ=PIXTA)

コロナ関連の支出、控除の対象?

医療費控除の対象は、医療機関に支払った医療費の実費以外にも、市販薬の購入代(治療目的でないビタミン剤などは対象外)、治療のためのマッサージなどの施術代、通院のための交通費(自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場代は対象外)などが合算できます。対象となるかどうかを確認したい場合、国税庁のHP「医療費控除の対象となる医療費」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm)をチェックしましょう。

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