ここ数年で大きく変容したビジネススタイルは、一見気付きにくいちょっとした着こなし方にも様々な変化をもたらしている。“今”のビジカジをマスターするために心得ておきたい新常識をここでおさらいしておこう。
1.ニット in スタイルでは上着のボタンは留めない
ノータイビジネスが許容される今、インナーの主役はニットになっているが、その際、ジャケットのボタンをきちっと留めるとどこか窮屈。洒落者はほぼ例外なく、ボタンを外して羽織るように着ている。これはダブルブレストも同様だ。ダブルのボタン外しはかつて明らかなNGだったが。今は洒脱とみなされる時代に。ボタンの留め方ひとつとっても、時代に応じて変化するのだ。
2.ノータイスタイルでチーフを挿すなら白リネン以外
迷ったら白のリネンチーフを挿しておけば万事つつがなしと、半ば習慣のようにチーフを使っていないだろうか? ドレスアップしたスーツスタイルならまだいいが、寛ぎ感が重要なビジネスカジュアルにおいてはむしろミスマッチに見える危険が大きい。胸元が寂しいなと思ったら、白リネン以外を取り入れてみよう。プリントものが一般的だが、右写真のアリアンナのようなカシミア混なら白無地も粋。ネクタイ代わりにチーフで胸元を彩るのも一興だ。
3.パンツの“お約束”にも変化が スラックスの裾はダブル、とは限らない
リースの入ったスラックスは必ずダブルに丈上げし、その幅は3.5~4.5cm。というのが教科書的回答だが、昨今はそのお約束にも変化が。モノトーンなどミニマルさを身上とするパンツの場合、すっきりとシングルに上げたほうが魅力が引き立つケースも。またスポーティな素材の場合は、あえて細めのダブルに上げて、ドレスとカジュアルの中間的見え方を狙うのもいい。パンツのキャラによって使い分けてみよう。