マキコさん 自分が恵まれているという意識を持ったところから、具体的なアクションを起こすまでには、ある種の「ジャンプ」があったと思います。具体的には何がきっかけになったのでしょうか?

川崎さん 最初から活動をしたいとか、活動を広げたいとか思っていたわけではありませんでしたし、途中で嫌になった時期もありました。「私が動いても誰も動いてくれないんじゃないか」「失敗したら目立ってしまうんじゃないか」という、日本人特有の「出る杭(くい)は打たれる」の思考が出てきてしまったからです。

でも、私が小学生のときには、同世代ですでに活動を始めている子供たちはたくさんいて、やらないことのほうが恥ずかしいことだと思うようになりました。それまでの気持ちがパッと吹き飛ばされた感じでした。

「サステナビリティ」ってなんだろう?

篠田真貴子さん

マキコさん 日本を「サステナビリティ」という観点から見たときの話をここからしていきたいと思うのですが、まずは「サステナビリティとは何ですか?」と聞かれたら、川崎さんはどのように答えますか?

川崎さん 「環境」の文脈で使われがちですが、教育にも当てはまりますし、一人ひとりの生き方にも当てはめることができると思います。「私の人生はサステナブルです」と言うこともできます。動詞でもあり主題にもなるような、フレキシブルな言葉だと思います。

マキコさん 「サステナブルな○○○○」という言い方ができる、意味の幅が広い言葉だと思うのですが、今回のテーマは「サステナブルなビジネス」です。「サステナブルなビジネス」とは、どんなものだと思いますか?

川崎さん 私の理想は、全員のことをちゃんと考えて、全員が経済的にOKになって、全員を巻き込んで変化を起こせるようなものが、「サステナブルなビジネス」だと思っています。ある世代やある層だけが関わっていることは、サステナブルではないと私は考えています。持続可能とは、100年後の未来にもつなげていけるようなビジネスや物事であることだと思うので、一部の人だけが持続可能になっても、それは持続可能とは言わないと思います。

ビジネスや経済的な考えからではなく、「社会のために」という視点から考えて、対象の層も含めてすべての層を盛り込むことによって、やっと持続可能ということになると思います。

マキコさん 川崎さんのこれまでの活動の中で、「サステナブル」を実現するために実際に取り組んだエピソードがあれば、ぜひ伺いたいのですが教えていただけますか?

川崎さん 私は、最初は貧困の人や困っている人たちを助けたいという気持ちから始まって、さらにそこから日本だけではなく他の国の人たちも救いたい、と思うようになりました。

でも、例えば私が実際に海外に行っても、その人たちの苦しみは私にはわかりませんし、その人たちの技術を私が超えることもないと思うんです。慈善活動で「先進国の学生が外国で井戸を掘りました」というようなものがありますが、井戸を作る技術は現地の方々のほうが優れているはずです。

私がやらなければならないことは、そこに行くことではなく、その前にまずは「自分の周りから変えていく」ことをしないと、その人たちには何も届かないし、社会にいいインパクトも残せません。

そのことに最近になってやっと気づいて、今の日本の子供たちに向けた教育を始めました。それは普通の学習教育や授業をすることではなく、日本人が世界で活躍するために必要なSDGsの教育や、リーダーシップやファシリテーションの教育です。それによってたくさんの国の人をもっと助けられるようにするために、今、私たちの世代が動かないといけないという解決策に気づいたので、活動としてやるようになりました。

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15歳から逆質問 「マキコさんの夢はなんですか?」
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