篠田真貴子さん(以下、マキコさん) 私が働く「YeLL」というベンチャー企業は、オンラインの1対1の面談によって、企業で働く人の話を社外の人がじっくり「聞く」という機会を提供しています。私自身、人の話を「聞く」ということに仕事上関心を寄せていますので、今日、川崎レナさんにお話をお伺いできることを、とても楽しみにしていました。
川崎レナさん(以下、川崎さん) 川崎レナです。中学3年生の15歳です。小さい頃から人権の活動などをしていて、最近は環境問題などにも関心をもつようになっています。今は、ユーグレナのCFOをやりながら、アース・ガーディアンズ・ジャパンという団体を友達と一緒に設立して、その代表も務めています。
マキコさん そして学校にも行っているという、非常にお忙しく過ごされている状況だと思います。まずはユーグレナCFOにチャレンジした理由から教えていただけますか?
川崎さん 小学生のときに「ランドセルは海を越えて」という本を読んで、自分がどれだけ恵まれているかということに気づきました。日本で使わなくなったランドセルを、アフガニスタンの教育を受けられていない子供たちに寄付をしたという話です。私が普通に受けられている教育を、アフガニスタンの子供たちはこんなにも努力をしないと受けられないことに「おかしい」と感じ、そこから、活動をしたいと思うようになりました。
私と同年代や私より少し下の世代の子供たちの活動支援をしてきましたが、それはあくまでも個人対個人の支援です。もっと大きなスケールで「自分には何ができるのか?」「どれだけ変えられるのか?」を考えていたときに、ユーグレナの募集を知りました。私の活動をもっと広げて、もっと人を助けたいという思いで応募しました。
マキコさん 「ランドセルは海を越えて」を読んだ小学生は川崎さんの他にもいるはずですし、大人もたくさん読んでいると思います。でも、そこから「いかに自分が恵まれているのか」ということをくみ取ることは、なかなか難しいことだと思います。川崎さんがそう思えた背景にはどんなことがあったのでしょうか?
川崎さん 小学生のときに、先生と何人かのクラスメートと一緒に、ホームレスの方がたくさん住んでいる地域を訪ねたことがありました。学校で寄付を募って集めたものを届けに行く活動です。そこで見た現実は「恵まれている日本でも、私と同じ年くらいの子供たちが、こんなにも過酷な状況で生きなければならない」ということでした。私は何もしていないのに、恵まれた環境や教育が与えられている、そのことをずっと考え続けているうちに「私とこの子たちが違うということは、多分、私が何かしないと変わらない」という考えに至りました。