セキュリティーや運用管理に高い評価

 Chromebookの導入が進んでいる理由はいくつかある。

 MM総研が全国126の自治体から有効回答を得た「GIGAスクール端末の選定における3OS評価と活用課題の調査」によると、Chromebookに搭載されるChrome OSが21の評価項目のうち3分の2にあたる14項目で最も高い評価を得ている。特に「セキュリティアップデート」「運用コストへの配慮」「データ漏えいリスク対策」「端末初期設定」「アカウント管理」など、セキュリティーや運用管理などの面での評価が高い。

 MM総研では、「Chrome OSはクラウドを活用した運用管理の負担軽減への貢献などが自治体から高い評価を得ている」とする。

機種によってはディスプレーを360度回転してタブレットとしても使える。写真はレノボ・ジャパンのThinkPad C13 Yoga Chromebook

 実際、教育現場からは「Chromebookは、情報端末の維持や管理に関する教員の負担をなくし、教育そのものに専念できる環境を実現している」「Chromebookで利用できる(オフィスソフトの)G Suite for Educationの採用によって、教員が教育アプリを簡単に利用し、それにより授業づくりに集中できるといった効果が生まれている」との声が上がる。一方、Windowsに対しては「急にOSのアップデートが始まってしまい、授業中に使えなくなるのではないか」「起動が遅く、あらかじめ電源を入れておかないと授業を始められない」といった不安が出る。

専用コーナーを設ける大手量販店も

 GIGAスクール構想による導入が一巡してもChromebookの勢いは続きそうだ。例えば学校にChromebookが導入されれば、「自宅でも同じメーカーの同じ機種を使いたい」といったニーズは確実にある。また、これまでChromebookはメインマシンとして利用するにはスペックが物足りないとされていたが、最近はWindows PC並みの性能を備えたChromebookも出てきた(その分、値段も高いが……)。コロナ禍の巣ごもりで、「とにかく安いサブマシンが欲しい」というニーズも顕在化しつつある。個人向けPC市場におけるChromebookのシェアが高まる可能性は高い。調査会社のBCN(東京・千代田)によると、20年12月のChromebookの量販店における販売台数シェアはノートPC全体の2.7%にまだとどまる。だが、すでに、Chromebookの専用コーナーを設ける大手量販店も増えており、今後はジワリと存在感を増しそうだ。

大河原克行
ジャーナリスト。30年以上にわたって、IT・家電、エレクトロニクス業界を取材。ウェブ媒体やビジネス誌などで数多くの連載を持つほか、電機業界に関する著書も多数ある。
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