メンズスタイルの基本を分かっていれば、ウォームビズやテレワークなど、あらゆるシチュエーションで装いを決められる。ニューノーマル(新常態)にもスマートに対応できるはずだ。「服の着こなしもファッションも、ビジネススキルの一つ」と捉えるファッションディレクター、森岡弘さんとともに、ワンポイントで変わる着こなしのテクニックや小物の選び方などを、映像を交えて解説していく。今回は「コートの着こなし」だ。
冬の寒さが身にしみる季節になり、外出時にはコートが手放せない。防寒用として有り難いコートだが、冬のおしゃれを楽しむのにも実は持ってこいのアイテムなのだ。
ビジネスマンの定番コートといえばステンカラーコートだが、ほかにもチェスターフィールド、トレンチ、ダッフル、ダウンなど、様々なコートの種類があり、インナーやマフラーなどとも組み合わせてバリエーション豊富なコーディネートを楽しめる。
「コートは大人の雰囲気を醸し出してくれます。種類だけでなく、デザイン、素材、カラーで自分らしさを演出でき、スーツと同様に男性を格上げしてくれるアイテムです。外で着る服ですから自由に着こなしを楽しんでほしいのですが、ここで気をつけてもらいたいのがサイズです」と森岡さん。
コートの着丈や袖丈のジャストサイズが重要
「コートは上着なので、下に着るものよりも大きいのが基本です。コートの袖や裾からジャケットがはみ出さないようにすること。ここ数年のファッショントレンドで肩のゆったりしたオーバーサイズのコートを着ている人もいますが、着丈と袖丈の長さはちょうどいいサイズでないと、だらしない印象になります」と話す。
袖丈は、下に着るものが隠れるくらいで、長すぎないものを選べばいいが、着丈はコートによって変わってくる。定番のステンカラーなら膝より上、チェスターフィールドならよりドレッシーに見せる膝下あたりでも構わないと、森岡さんは解説する(映像参照)。
もう一つ、コートを選ぶときに考えておきたいのが、コートの下にジャケットを着るかどうか。コロナ禍による在宅勤務でカジュアルな装いに慣れ、ジャケットを着ないでコートを羽織って出かける機会も増えている。
「私もジャケット感覚でぴったりとしたチェスターフィールドやピーコートをよく着ます。ひと昔前に比べ、一般的なコートは、肩回りやアームホールなどがタイトなタイプも出てきています。ジャケットやスーツを着込んでコートを着る場合は、試着して、自分のサイズが合っているか、しっかりと確かめることが大切です」と森岡さん。
インナーはタートルネックや襟付きのニットポロを合わせる
コートのインナーには、タートルネックのシャツや襟付きのニットポロを薦める。
「この2つのインナーならどんなアウターでも合わせやすい。スポーティーな雰囲気を持ちながら、大人っぽく知的な印象も与えます。特に襟元が開くコートではちょうどいいボリューム感を補ってくれるので相性がいい」という。
お気に入りのコートに、インナーやマフラー、手袋などと組み合わせて、冬のおしゃれを楽しみたい。

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