確か当時は原宿周辺で「スカート男子」なるブームも起こって、チェッカーズがタータンチェックのスカートをはいてデビューしたり、坂本龍一氏と忌野清志郎氏がメークをして抱き合って「い・け・な・いルージュマジック」を歌ったりしたのもこの頃だったと記憶する。

タン氏は「徹底的な透明性」が信条という

ゴルチエ氏は他にもタトゥーをプリントしたシャツのスキンタトゥーや、ハイウエストのメンズのトラウザーズをはいた付けひげの女性モデルをランウエーで歩かせるなど、つねにジェンダーレスでボーダーレスなファッションを提案してきたデザイナーである。

コロナ後のファッション界、もっと「…レス」に

最近のデザイナーでは、なんといってもトム・ブラウン氏だろう。十八番ともいえるアメリカントラッドなグレーのスーツスタイルにスカートをはかせて、靴もハイヒールのフルブローグシューズ。VAN世代の頭のお堅いアイビーじいさんたちから「アイビーに対する冒涜(ぼうとく)だ!」と言われるようなジェンダーレスコレクションを毎回発表してくれる。

極めつきは、何といっても2019年のアカデミー賞でレッドカーペットの現れたミュージカル俳優のビリー・ポーター氏だ。同性愛者であることを公表しているポーター氏は、巨大なスカートのタキシードドレスで登場した。その堂々たるや、格好いいったらない。集まったメディアから大絶賛された。

スカートといえば、筆者のめいっ子のご主人はスコットランド人で、数年前に赤坂の日枝神社で挙式をしたのだが、その時の新郎側の服装はご主人とお父さんは2人そろって、代々伝わるタータンチェック柄のキルト(スカート)にギリーシューズというスタイルであった。スコットランドの民俗衣装では男性もスカートを着用するが、むしろ凛々(りり)しくて実にカッコよかった。

ファッション業界もコロナで、まいったな 2020であった。年に何回もコレクションを開く意味があるのか? とか、リモートが当たり前になってスーツが売れなくなるとか、本当にガラっと価値観もスタイルも変わってしまった今年。来るべきコロナ後の世界は、オードリー・タン氏のような人がもっともっと出てくると思う。ジェンダーレス、ボーターレス、ユニバーサルデザインなファッションが普通になると思う。さてさて、2021年はどんな@ニュースなルックが現れるんでしょうね。

いで あつし
1961年静岡生まれ。コピーライターとしてパルコ、西武などの広告を手掛ける。雑誌「ポパイ」にエディターとして参加。大のアメカジ通として知られライター、コラムニストとしてメンズファッション誌、TV誌、新聞などで執筆。「ビギン」、「MEN’S EX」、JR東海道新幹線グリーン車内誌「ひととき」で連載コラムを持つ。

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