確固たるブランドが可能にした多様なフレーバー展開

1971年発売の「小枝」の多様化が始まったのは、79年に発売された「白樺の小枝」から。チョコ部分をホワイトチョコレートに切り替えた商品は、高級感があり、ホワイトチョコブームがあったことも幸いして長く続く商品となった。いろいろなフレーバーバリエーションを菓子で手がけるのは、今でこそ当たり前に製菓各社が取り組んでいるが、「小枝」の取り組みは業界内では比較的早いほうだった。

「小枝」が多彩なバリエーションを試せるのは、ブランド力が確かだからという

そのバリエーションは、85年に「メープルの小枝」、87年に「ビター」、92年に「クッキー&苺」など、多種多様に増殖していった。「ロイヤルミルクティー」「カフェ・エスプレッソ」「カフェラテ」といった飲み物をフィーチャーしたものも登場。マニアックなフレーバーには「りんごのシブースト」「祁門(キーマン)紅茶」「江東スイートポテト」などもある。

パッケージングと商品形状も変化を遂げていった。88年には「小枝」を大きな袋に詰めたタイプを発売。92年には「大型サイズ」や、通常は長さ4センチの中身を十数センチまで伸ばして縦長にした「ジャンボ小枝」を投入した。93年には「ジャンボ小枝 苺」も登場している。

「小枝」の商品バリエーションはますます多彩になってきた

サイズの横展開はその後も続き、「小枝スティック」のように縦長の商品は2009年ごろまで人気を保った。1本丸ごとを食べやすい横長な「バー」タイプの商品(08年)や、現在では子供向けの長さが短い「ベビー小枝」なども出ている。

「食べる時間によって味わいを変えることも試み、08年には『モーニングタイム』『イブニングタイム』などというフレーバー商品も出しました。これができたのは『小枝』という商品が強いブランドとして確立されたからだったと思います」(村瀬氏)

ブランドが広く認知されているからこそ、変幻自在に新フレーバーを試せる強みが、「小枝」にはある。他社とのコラボレーションの中でも、「小枝」のブランドパワーは有効に働いた。11年にはダスキンのドーナツチェーン店「ミスタードーナツ」と組んで、人気ドーナツである「チョコファッション」や「エンゼルフレンチ」のフレーバーを開発。18年には喫茶店チェーン「コメダ珈琲店」を展開するコメダホールディングスと組み、「シロノワール味」「チョコノワール味」などを投入してきた。

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発売当初からデザイン不変のロゴ ブランド構築の「幹
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