ドライフラワーやフェイクグリーン… 家彩り心穏やか

壁に掛けるなどアレンジの幅広さがフェイクグリーンの魅力(東京都杉並区のクサカベグリーンショールーム)
壁に掛けるなどアレンジの幅広さがフェイクグリーンの魅力(東京都杉並区のクサカベグリーンショールーム)

新型コロナ禍が続き、家で過ごす時間が増えるなか、インテリアに大胆にグリーンを取り入れる人が目立っている。手ごろな価格で手に入るミニブーケをはじめ、ドライフラワーやフェイクグリーンなど、初心者でも気軽に楽しめるアイテムが人気を集めているという。

フラワーショップのランドフローラ(東京・世田谷)が運営するルコネル新宿ミロード店(東京・新宿)には、季節の花々や小さな花束が並ぶ。高橋紅美店長は「ステイホームの推奨で、家庭で花やグリーンを楽しむ人が増えた」と話す。

高橋店長が初心者に気軽に花を楽しんでもらおうと販売に力を入れるのがミニブーケ。グラスサイズが500円(税別)から購入できる。「初心者が花を1本ずつ選ぶのはハードルが高い。まずは何か飾ろうという気持ちの入り口になれば」。会社帰りの女性が購入するという。

花瓶がなくても手軽に飾れるブーケもある。根元部分に水が入る簡易容器が付いているスタンディングブーケは、プレゼント用の需要が高いという。

多忙な若い女性中心に人気なのがドライフラワーだ。同店は今春の改装で、ドライフラワーのコーナーを拡充したばかり。高橋さんは「ここ2、3年で人気が高まった。店のディスプレーやインスタグラムでの紹介を見て買う人も目立つ。花を買うというよりインテリアグッズを買う感覚に近い」と話す。同店では売り上げの約3割を占める。

生花として楽しんだ後ドライフラワーになるブーケ(東京都新宿区のルコネル新宿ミロード店)

ドライフラワーは水を替える手間がいらず長く楽しめるうえ、壁からつり下げるなど飾り方のバリエーションも広い。生花として楽しんだ後、そのまま乾燥してドライフラワーになるブーケも登場している。

店頭で、友人への就職祝いを選んでいた女子大学生は「自分も友人からプレゼントされたドライフラワーで部屋が明るくなった。手がかからないので、忙しい一人暮らしでも楽しめる」と話していた。

高橋さんは「雑貨店でも手に入るようになり、裾野が広がった。1種類から買えるので、自分で組み合わせを考えてリースや壁飾りを作る楽しみ方もある」とアドバイスする。

本物の花が人気化する一方で、フェイクグリーンも進化している。専門通販サイト「いなざうるす屋」を運営するクサカベグリーン(東京・杉並)代表の日下部有香さんは「品質の向上に加え、鉢植えやドライフラワー風の商品などここ数年で種類が増えた」と話す。

若い女性を中心にインテリアグッズとして人気のドライフラワー(東京都新宿区のルコネル新宿ミロード店)

フェイクグリーンの最大の特徴は扱いの簡単さだ。日下部さんは「忙しい、部屋の日当たりが悪いなど、本物を取り入れるのが難しい人は多い。環境に左右されない手軽さは魅力だ」と話す。倒してしまっても土がこぼれる心配がないので、小さな子供やペットのいる家庭での需要も高いという。

フェイクならではの楽しみ方もある。日下部さんが強調するのはアレンジの豊富さだ。例えば、壁から鉢植えをつり下げる飾り方は、リアルな鉢植えは重く、難易度が高いが、軽いフェイクを使えば容易に挑戦できる。「リアルとフェイクを混ぜて飾る人もいる」と日下部さん。「フェイクは置く場所を選ばない。壁から葉っぱが生えているような、あり得ない飾り方はフェイクならでは」

部屋の見せたくない部分を隠したり、テレワークのビデオ会議で、カメラの視野に映り込ませる背景として使ったりする例もあるという。日下部さんは「自分のアイデアしだいで、いかようにも飾り方を変化させることができる点が何より楽しい。雑貨感覚で楽しんでほしい」と話していた。

生活に潤いをもたらしてくれる花やグリーン。新型コロナ感染症が流行第3波に至り、どうしても部屋にこもりがちなこのごろだが、手間をかけず、気負わず緑を取り入れることは、心を穏やかにする助けになるだろう。(ライター 李 香)

[2020年12月5日付 日本経済新聞夕刊]

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