ココイチに大阪王将、牛角も… 個性派ふりかけ10選
家で自炊する機会が増え、献立に悩む人も増えたのでは。食感にこだわったり、人気店の味を再現したり。食卓をにぎやかにする個性派ふりかけを、専門家が選んだ。
1位 七味ごま 八幡屋礒五郎
辛みと香ばしさ 相性抜群
1736年に創業した七味の老舗、八幡屋礒五郎(長野市)のふりかけだ。「八幡屋礒五郎ならではの七味の辛味と深み、ごまの香りがあいまった完成度の高い逸品。ちょっとした手土産にぴったり」(五藤久義さん)、「ごまの香ばしさを楽しめる一品」(金子あきこさん)と、七味とごまの香ばしさの相性の良さを指摘する声が目立った。
「ふりかけというよりいろんなものにかけたくなる」(青柳崇子さん)という意見も聞かれた。きんぴらごぼうにまぶしたり、チャーハンやサラダのトッピングにしたりするなど使い方も広がるという。
缶に詰め替えられる袋状の商品や小分けにされたもの、梅肉を絡めた「梅七味ごま」もある。用途や好みに応じて買い分けるのがよさそう。
(1)税込価格(内容量) 594円(60グラム)(2)公式サイト・販売サイト https://shop.yawataya.co.jp/shop/item_list?category_id=563788
2位 ミソルト 今野醸造
味噌の香りと味しっかり
宮城県で味噌やしょうゆを手掛ける老舗が作った、ふりかけるだけの味噌。味噌の味は好きだが調理法を知らない人が増えたのを背景に、誰でも使いやすいふりかけで親しんでもらおうと開発した。うまみや香りを強くした「釜神」という味噌をベースにしている。パッケージのデザインには外国人観光客にも食べてほしいとの願いも込められ、復興庁の「世界にも通用する究極のお土産」にもノミネートされた。
「塩味は弱いものの、味噌の香りと味がしっかりしているのでたっぷりかけた方がおいしい」(船久保正明さん)、「ふりかけには珍しい味噌味で、マヨネーズに混ぜてディップソースにするなど活用しやすい」(岡本ゆかこさん)。
(1)648円(50グラム)(2)http://www.e-miso.com/03/03-01/
3位 牛角ふりかけのり ごま香る旨塩味 フードレーベル
引き立つご飯の食感・甘み
大手焼き肉チェーン「牛角」が監修した韓国のりふりかけ。細かく刻んだのりをご飯にかけて食べるのは韓国では一般的で、「オリーブオイルやゴマを混ぜて日本人好みの味付けにすれば、流行るのではないか」(フードレーベル)と商品化した。牛角のメニューにも細かく刻んだのりをまぶした「カルビ専用ごはん」があり、参考にしたという。
シンプルなふりかけだが、「ご飯の食感と甘みを引き立て、ご飯のうまみとも相乗効果がある」(片山真一さん)などと評価された。「はまる人が多そうな味付け。マグロの漬け丼に載せたり、冷ややっこなどにふりかけたりしても合いそう」(野口英世さん)との声も。
(1)192円(20グラム)(2)http://www.foodlabel.co.jp/item/item_149.html
4位 世界のふりかけ 新橋玉木屋
半生タイプで11種類
1782年創業のつくだ煮・煮豆の専門店が作った半生タイプのふりかけだ。「サラダやパンなどにも合うものを作りたかった」(同社)。味はグリーンカレーやトムヤンクン、イタリアントマトなど11種類に上る。「バリエーションが豊富。グリーンカレー味は辛党にお薦め」(河瀬璃菜さん)
ギフト用途に買う人も多く、「世界の料理を想像しながら、どれが好き? これ本物みたい!と親子で楽しんでほしい」(滝村雅晴さん)。
(1)1080円(8パック箱入り、100グラム)(2)http://www.tamakiya.co.jp/tsumeawase/sekaino_furikake.html
5位 招きまんま 招福楼
かつお節、優しい味付け
滋賀県東近江市に本店を構える料亭が、かつお節を細かく刻み、しょうゆとみりんで煮込んで仕上げた。「優しい味付けなのでパクパク食べられる」(河瀬さん)、「お酒のつまみにもなる」(吉田慎治さん)などの評価が聞かれた。添加物をいっさい使っておらず、「これから味覚が発達する子どもにもたべてほしい」(関克紀さん)という見方も。
福を招く商品名にあやかろうと、「結婚式などの贈答品としての需要もある」(同店)そうだ。同じ値段で梅肉味の「福まんま」もある。
(1)550円(50グラム)(2)https://shofukuro-shop.jp/(2個からの詰め合わせで注文可)
6位 サクサクしょうゆ キッコーマン
食感良く料理の味付けにも
老舗メーカーがしょうゆの味に親しんでもらうために作った「食べるしょうゆ」。ガーリックやオニオンなど香ばしい具材にフリーズドライのしょうゆを合わせた。「サクサクした食感が心地よく、誰でも大好きな味」(青柳さん)に仕上がり、ご飯が進む。
「卵かけご飯に使うと格段においしくなる。ゆでた葉物野菜とあえても良い」(野口さん)。様々な料理と組み合わせられる味付けへの評価も高く、「たこ焼きや豆腐などの上にかけても合う」(キッコーマン)という。
(1)340円程度(90グラム)(2)https://www.kikkoman.co.jp/products/product/K054500/index.html
7位 鉄ラー油風味大阪王将餃子ふりかけ 大森屋
ガツンとした食べ応え
有名ギョーザチェーンとコラボして今年8月に発売された。ギョーザふりかけは他社にもあるが、「大阪王将ならではの『鉄ラー油』のガツンとした食べ応えを再現した」(大森屋)。
「にんにくや香辛料の香りが強く、味付けも良い」(船久保さん)、「ギョーザの風味が良く再現されており、ピリっとした辛さが食欲をそそる」(松江慎太郎さん)などと評価する声が多かった。チャーハンや野菜炒めなどの味付けにも使える。
(1)216円(38グラム)(2)https://www.ohmoriyashop.com/shopdetail/000000000436/003/O/page1/order/ (10個から注文可)
8位 納豆ふりかけ 通宝
のりたっぷり 粘りもしっかり
熊本ののりメーカーがのりの味わいと食感を楽しんでもらおうと開発した。フリーズドライにした納豆は、温かいご飯の上で水分が加わると粘りが出る。「質の良いのりがたっぷり入り、納豆の香りと粘りを感じられる。納豆好きにはたまらない」(松江さん)
「化学調味料を使わず、塩分も低いので体に優しい」(金子さん)と、栄養価も評価された。子どもでも安心して食べられ、大手ベビー用品店の離乳食売り場などにも置かれている。「ご飯にかける以外にも和風のスパゲティーと合わせてもいい」(通宝)
(1)324円(40グラム)(2)https://www.478124.com/products/detail.php?product_id=71
9位 百五十歳若返るふりかけ 利尻屋みのや
塩昆布とごはん 相性抜群
北海道小樽市の昆布専門店が道産昆布や白ごまでシンプルに仕上げた。「ご飯の甘みをよく引き出す」(片山さん)と、お米との相性が評価された。「細かくした塩昆布が卵かけご飯と合いそう」(岡本さん)
インターンシップに訪れた大学生が開発に参加。食品表示法に引っかからずにゴマの抗酸化作用など栄養価をアピールできるネーミングとして、「浦島太郎にも教えてあげたい」とおとぎ話に引っかけて考え出した。小樽市のお土産の一つとして、地域振興にも一役買っている。
(1)590円(60グラム)(2)https://store.shopping.yahoo.co.jp/rishiriyaminoya/02-072.html
10位 CoCo壱番屋監修カレーふりかけ 三島食品
サクサク食感、色も鮮やか
チェーン店、CoCo壱番屋のカレーが好きな三島食品の研究開発担当者が「あの味をふりかけにしたい」と商品化。壱番屋の監修を受けた商品は「カレーの味や風味など再現性が高い」(関さん)。サクサクとした食感を出すことにも力を入れたという。
給食では彩りのある食事が人気であることを参考に、ホウレンソウやトマトなど色鮮やかな食材も投入。「子どもでも食べやすい味で、お弁当に入れても良い」(滝村さん)。ポテトサラダなど幅広い料理に合わせられる。
(1)140円(23グラム)(2)https://mishimashop.jp/shop/item_detail?category_id=554325&item_id=2476082
「個性的」がブーム ご当地の味も人気
ふりかけの歴史は諸説あるが、熊本県で大正時代初期に作られたフタバ(熊本市)の「御飯(ごはん)の友」が元祖とされる。カルシウムなどが取れる栄養食として開発された。「現在は高級路線や健康志向など、一般的なタイプと違う個性的なふりかけがブームになっている」(国際ふりかけ協議会代表理事の松江慎太郎さん)。消費者の嗜好が多様化したのを背景に、ふりかけも味や食感で特徴を打ち出すようになった。
各地の食材を使ったご当地ふりかけも人気に。かつお節やちりめんなどの魚介を使った海産物処ふじ田(静岡県島田市)の「まぜるだけ」など、主菜として楽しめるものも登場している。協議会では2年ごとに「全国ふりかけグランプリ」を開催。2021年は熊本県を会場に予定している。
米穀安定供給確保支援機構によると、今年9月の家庭内での米の消費量は前年同月比13.5%増。ご飯をおいしく楽しく食べれば生活の満足度も上がるだろう。目新しいふりかけのパッケージを見つけたら、買って味わってみよう。
ランキングの見方
調査の方法
今週の専門家
(生活情報部 荒牧寛人)
[NIKKEIプラス1 2020年11月21日付]
<訂正>11月23日3時公開の原稿中、3位の商品名で「牛角韓国味付のりフレーク」とあったのは「牛角ふりかけのり ごま香る旨塩味」、「60グラム」とあったのは「20グラム」の誤りでした。本文は訂正済みです。
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