2人とも当初は相当落ち込んだというが、自力で調べて学び、乗り越えてきたという。Cさんは教科書やネットを活用して分からないことを必死で調べるうちに「これが大学生の勉強なのかな、と考えるようになった」という。

Dさんは、大学入学と同時に一人暮らしを始め、授業や課題の合間に自炊もするようになった。オンライン授業でもライブではなく資料や動画を好きな時にみて課題をこなす授業も多いため、「1日の時間をどう使うか、自分でタイムマネジメントが上手にできるようになった」

「声を上げようにも、会ったことがない」

大学のオンライン授業は、双方向のライブ授業は実は多くなく、大半が資料や動画を自分で確認して課題をこなすスタイル。先生の説明も一方的になりがちで「難解すぎて訳が分からない」という嘆きが出てくる。

しかし、中にはライブ授業中心の学校もあり、学生の反応も悪くない。

お茶の水女子大学1年のEさんは、履修した授業のほとんどが、ビデオ会議システムのZoomなどを活用した双方向の授業だった。先生とリアルタイムでやりとりができるし、少人数のグループに分かれて議論する場も多かった。「仲良くなったという実感まではもてないけれど、それなりに同級生たちとつながれていた気がする」と振り返る。

成城大学1年の武田稚奈津さんも、授業はほとんどがZoomだった。「少人数の授業はディスカッションも多く、そこまで不便には感じなかった」と話す。子供の頃からフィギュアスケートを習っている武田さんは、「自宅だけでなくスケートリンク脇で授業を受けることもできるし、意外と悪くないなと思っている」という。

オンラインのメリットももちろんあり、どちらが良い悪いではない。しかし取材を通して感じたのは、大学生だけがエアポケットのように社会の再始動から抜け落ちているということだ。秋学期以降も原則オンライン授業という大学が多いようで、なかには1年間すべての授業がオンラインになった学生もいる。キャンパスライフを知らない1年生たちはもがきながら、なんとか自分たちの力で打開策を探している。

一方の大学はどうだろう。「大学から特にメッセージなどは届かない」「再開しないのか質問しても返事が来ない」といった声も聞こえてくる。全ての大学がそうではないだろうが、こうした“塩対応”に、学生たちは落胆と諦めを隠しきれずにいる。

何か大学側に声を上げてみようという動きはない? と取材した学生たちに問うてみた。するとほとんど同じ答えが返ってきた。「声をあげようにも、私たちまだ誰にも会ったことがない。会ったこともない人たちと声を上げろと言われても」と。

「社会に出てから、コロナ世代って言われるのかな」という不安を口にした学生もいた。漠然と不安を抱え、声を出せない学生たちに対して、大学や大人たちにできることが、もっとあるのではないだろうか。

(藤原仁美)

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