2020/8/24

郊外に住む大きなメリットの一つは、マイカーでの利用客を前提にした大型のショッピングモールを気軽に利用できることです。ただ買い物を楽しむだけでなく、シネマコンプレックスで映画を楽しんだり、スーパー銭湯でゆったりとリフレッシュしたりすることも身近な日常になりそうです。

住まいや街選びの基準、大きく変化

テレワークは多くのビジネスパーソンを居住地の「都心(あるいはその近辺)へのこだわり」から解放しました。これは日本にサラリーマン(戦前は「勤め人」と呼んでいました)という人生形態が登場して以来、百数十年ぶりの働き方の革命的な変化ではないでしょうか。

ただ、変化はまだ始まったばかりです。テレワークはどうやら定着しそうな気配ですが、すべてのビジネスパーソンに適用できるわけではありません。

また、郊外などへの移住もすでに確認できるトレンドにはなっていますが、不動産の価格を左右するほどの力強い流れになるかどうかは、今後の動き次第です。

しかし、これまでのように「多少狭くても都心に住まいを」という需要は確実に減退させるはずです。また、エレベーターや共用部で「3密」にならざるを得ないタワーマンションの需要も衰えそうです。

コロナ後、私たちは住まい選び、そして住みたい街選びの基準が大きく変わったことに気づくのかもしれません。その変化は足元で確実に始まっているのです。

榊淳司
住宅ジャーナリスト。榊マンション市場研究所を主宰。新築マンションの広告を企画・制作する会社を創業・経営した後、2009年から住宅関係のジャーナリズム活動を開始。最新の著書は「限界のタワーマンション(集英社新書)」。新聞・雑誌、ネットメディアへ執筆する傍らテレビ・ラジオへの出演も多数。

「ニューノーマル」「新常態」とも呼ばれる新しい生活様式が広がりつつあります。コロナで一変した家計の収入や支出、それに伴うお金のやりくりをどうすればよいかも喫緊の課題です。連載「コロナの先の家計シナリオ」は専門家がコロナ後のお金にまつわる動向を先読みし、ヒントを与えます。