急に始まったウイルス禍の影響を受けて、私たちの生活に大きな変化が起こりました。仕事のシーンでは「できる人」と「できない人」の差が際立ち、評価を上げた人もいれば下げた人もいる、というのはよく聞く話です。ニューノーマルという、誰もが不安な状況下では、仕事の進め方の巧拙のみならず、周囲への気づかいや節度という感覚のある無しが「できる」「できない」の印象を分けます。(この記事の〈下〉は「オンライン飲み会 アクションや視線が印象左右」)
そうした構図は、恋愛や婚活といったプライベートシーンでも同様に見られます。「できる男」であるならば、このような状況下でこそ評価を上げたいものです。そこで今回は、気をつけたい日常の行動や言葉を見ていきたいと思います。
「会いたい人としか会わない」
私はふだん、「エグゼクティブプレゼンス」(エグゼクティブらしい威厳や格のある雰囲気や振る舞い、リーダーとしての心得)についてトレーニングやコーチングをしていますが、若い方からはプライベートでのおでかけやデートのことをこっそり聞かれることも少なくありません。特に最近は、ニューノーマルということで振る舞いやマナーには応用力が問われるため、興味を持って事例を聞いています。
「それほど知らない相手と『とりあえず会ってみる』ことがなくなりました。『テレカン』がほとんどです」
こういう方は多いのではないでしょうか。人に会うならまずオンライン。対面するなら信頼関係がある相手か、どうしても必要な場合……。仕事ではこれがスタンダードになりつつあります。
男女の出会いも同様なようで、まずオンラインから始まることが増え、Zoomを使っての合コン、別名「ズムコン」が普通になってきているとか。
話を聞いていると「プライベートでは本当に会いたい人と思う人にしか会わなくなった」と言う女性は多くなっています。この言葉は「自分の時間を大事にしたいので、とても気が合う人、一緒にいる価値のある人を選ぶようになった」という意味でもありますが、「一緒にいる人は十分に安心できる相手に限りたい。だから常識や節度がちゃんとある人でなければ、安全性を担保できないので嫌だ」という思いでもあります。誰もがふとした拍子に健康や安全を脅かされる可能性がある現在では、当然と言えるでしょう。

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