女性輝く企業なぜ業績堅調 多様な考え、投資家も評価

2020/7/21
2019年11月にカルビーが実施した「女性リーダー育成プログラム」の様子=同社提供
2019年11月にカルビーが実施した「女性リーダー育成プログラム」の様子=同社提供

少子高齢化やグローバル化で事業環境が変化するなか、上場企業で多様な意見を経営に反映する動きが活発になっている。女性を経営陣に登用するよう求める投資家の声も大きくなった。女性活用に積極的な企業の業績や株価が堅調と指摘する声は、経営上無視できなくなりつつある。

「今こそダイバーシティー経営が重要だ」。資生堂の魚谷雅彦社長が会長を務め、女性役員比率の向上を目指す「30%クラブ・ジャパン」は5月、企業が新型コロナウイルスの危機を乗り越え、成長していくためにこう訴えた。取締役会などの意思決定機関では、意見の多様性が危機管理能力を向上させると強調。実際に女性取締役の比率が高い企業はリーマン・ショックなどの環境変化に対して強く、回復が早かった事例があると主張した。

積極的な女性の活用が、企業にプラスに働くケースは増えている。

経済産業省と東京証券取引所は毎年、女性の活躍を推進する上場企業を「なでしこ銘柄」として公表。行動計画や女性の管理職比率の開示、取締役の有無に加えて、自己資本利益率(ROE)も評価対象とする。2019年度は46社を選出した。東急やカルビーといった常連組も多いが、各業種の枠は1、2社で入れ替わりが激しい。熊谷組や特種東海製紙が初めて、AGCが6年ぶりの選出となった。

熊谷組では担当者が建設現場を直接訪問し、トイレや更衣室、アメニティ設備など女性が働きやすい環境かを確認する「ダイバーシティパトロール」を始めた。男性の育児を推進する目的で、子が生まれた男性社員に育児休業・休暇制度の案内を送付する。

経産省と東証の分析では、19年度に選定した46社を東証1部平均と比較すると、売上高営業利益率はなでしこが9%台と約3ポイント、配当利回りは同2.7%台と約0.4ポイント上回った。収益が安定する大企業が多いという点を考慮する必要はあるが、女性活躍に積極的な企業は、財務面でも優位性がある傾向だ。経産省で女性活躍やダイバーシティーを担当する積田北辰・経済社会政策室長は「女性活躍と財務に直接の因果関係を説明するのは難しいが、相関関係は出ている」と話す。

採用活動でも追い風が吹く。経産省が18年度の「なでしこ銘柄」と、次点の「準なでしこ」を対象に実施したアンケートでは、約65%が労働市場からの評価が高まったと回答した。経営陣や社員の意識が向上したとの声も多く、企業にとってプラス面が多かったことが読み取れる。

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