服から服を再生 コロナで意識「サステナブルな装い」日本環境設計会長 岩元美智彦氏(上)

「リサイクルは身近なものが一番わかりやすい。だから服がいいんです」と話す日本環境設計会長の岩元美智彦さん。この日のシャツは自社ブランド「ブリング」のもの(東京・千代田) 
「リサイクルは身近なものが一番わかりやすい。だから服がいいんです」と話す日本環境設計会長の岩元美智彦さん。この日のシャツは自社ブランド「ブリング」のもの(東京・千代田) 

新型コロナの外出自粛期間を利用して、ワードローブに眠る服の大整理に踏み切った人も多いのではないか。中古衣料品店やフリマアプリに出せないような服であっても、一時の愛着から「捨てる」ことにためらいを覚えたこともあるだろう。ベンチャー企業の日本環境設計(東京・千代田)が開発したのは、そんな複雑な感情を解消するリサイクル技術だ。古着を国内最大のネットワークで回収し、新たな服を生み出す仕組みは、企業と消費者の共感を呼び、海外の評価も高い。「コロナ禍を経て、環境を大事にしようという人々の意識はより高まった」と会長の岩元美智彦さんは意を強くする。7月からはレジ袋有料化もはじまる。岩元さんが考えるサステナブルな装い、服のリサイクルに対する消費者の意識の変化について聞いた。(この記事の〈下〉は「服のリサイクル わかりやすく楽しく根付かせたい」




回収→再生→Tシャツまで 自社で一貫

――きょうもリサイクル品の服を着ていらっしゃるそうですね。

「このシャツは、再生ポリエステル100%で作ったオリジナルブランド『ブリング』の商品です。着心地はコットンのように柔らかいし、吸汗・速乾というポリ独特の機能性を併せ持っているので、蒸れなくて肌感がいいですよ」

「昨年くらいから自社でもこのレベルの商品が安定的につくれるようになりました。再生ポリでこれだけの品質を実現できるのは世界でもウチだけでしょう。Tシャツもよく売れています。ポリ100%なのに、絵柄をプリントする会社が綿と間違うくらい、見た目も肌触りもそっくりなんです」

100%再生ポリエステルで作ったパーカーやTシャツ。綿の着心地のよさとポリの吸汗・速乾という双方のいいとこ取りをした

――アパレルメーカーに再生素材を提供するだけでなく、自社で回収から製品まで一貫して手掛けている。めずらしいですね。

「最終製品まで作れば価格は抑えられますし、糸の混紡率をどうしようかといったメーカーとの交渉ごとも面倒なので、全部自分でやっちゃおうと。服を回収して、工場で樹脂を作り、糸にして、織って、縫製して、小売りまでする。ほうら、できるじゃん、世の中は回るでしょ、ということを世間に見せたわけです。すると回収や技術面で協力してくれる仲間が増え、賛同する物流やアパレルも増える。スノーピーク、ユナイテッドアローズなどとのコラボが広がり、ファッショナブルで機能的なリサイクル商品が増える。だから売れるようになります」

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